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国に呼ばれた

オルライトの領主代行としての任が解かれるまでもう少し。

本人は正式に領主になる事はすでに了承済みである。

そんな中村の開発を成し遂げたとして国に呼ばれた様子。

村の事はキスカに任せ、オルライトは王都に来ていた。


「お久しぶりでございます、陛下」


「うむ、よく来てくれた」


「はい、それで話というのは村の事ですね」


国王からも村の事は聞いていると言われる。


村の開発を成し遂げ、多くの産業を立ち上げたとも。


「村の方は順調に動いております、国王様にも産業として生まれたものは献上したはず」


「ああ、様々なものを受け取っている、どれも見た事のないものやこの国では珍しいものばかりだ」


「はい、それらは全て協力や生産者の力があってこそでもあります」


「そうか、して正式に領主になる事はすでに了承しているそうだな」


「はい、村の者達も私が領主になる事に反対している者はおりません」


そんな話の中で国王はオルライトの事情についても尋ねてくる。

元々は結婚したくないという理由で始まった領主代行の仕事。


貴族の娘として結婚は重要な話でもあるからこそだ。


「私はあくまでも自分の仕事の妨げにならない人と婚約したいのです」


「ふむ、お前は昔からそうだな、国王である私にも物怖じせずに話しかけてくる」


「それはまあ、私も子供だったという事で…」


「別によい、アッシュ家は国への貢献も大きいからな、親しくしている以上文句は言えまい」


「はぁ、そうですか…国王様の器の大きさには感謝しています」


それはそれとして村の報告なども順次していく。

街になるために必要な10000人の民の移住、そして今までに納めてきた税金なども。


国王も四年でそれだけの事を成し遂げた事には驚いている様子ではある。


「正式に領主になった時は村をさらに発展させていく事はお約束します」


「四年であれだけの発展を成し遂げたのなら、期待してもよろしいな?」


「はい、必ずや期待には応えさせていただきます」


「それはそうとここからは公的な話ではなく私的な話なのだが」


「私的な話ですか、なんでしょう」


私的な話という事で、ここからはフランクに行く事に。

国王も献上品についてはいろいろ聞いている。


そんな献上品で特に気に入ったものがあるようで。


「何かお気に召したものでもあったのかしら」


「特に甘味類が気に入ってな、和菓子という東方の国の菓子が気に入ったんだ」


「和菓子、国王様は甘党だものね」


「ああ、だからこれからも定期的に私にどら焼きというものを送ってくれないか」


「どら焼き、まあ構わないですけど」


国王はどら焼きが気に入っている様子。

定期的に送ってくれないかという注文をしてきた。


オルライト相手だからこそ出来る話なのか。


「それはそうと正式に領主になるのはあくまでも任期が終わってからでいいのよね」


「一応そういう契約の上で任せたからな、なのでそれまではあくまでも代行だ」


「分かったわ、了承などはすでに得ているのよね?」


「ああ、他の貴族や領主もあの結果を見たら黙るしかなかったようだ」


「結果で黙らせてきたんだから当然よね」


オルライトはこれまでも何かある度に結果で黙らせてきた女傑である。

だからこそこんかいも他の貴族や領主も結果の前には黙るしかなかった。


オルライトはそれだけ優秀な人間でもあるという事なのか。


「まあそれについても報告は上がっているのだから、話も理解しているのよね」


「大体は理解している、しかしあれだけのものを生み出すのは大したものだな」


「それは多くの人達の協力があったからこそよ、私一人では出来なかったもの」


「オルライトはその性格で人望もあるのだから、大概なスペックだな」


「誠実さを示せば人はついてきてくれるものよ、そうじゃないの?」


誠実にやってきたからこそ人望が身についたというオルライト。

結局は行動によって示された結果でしかないという事だ。


信用を得るも失うも行動でしかないという事だろう。


「それで正式に領主になるのは任期が終わった日にそのまま引き継がれるという事よね」


「ああ、そのように手配済みだ、一応証明も届くのでそれの確認は忘れるな」


「分かったわ、村の方は私に任せてもらっていいのよね」


「正式に領主になれば権限は全て行使可能になる、代行とは違い出来る事も増えるぞ」


「ならもっといろいろ出来そうね、権限の全てが行使出来るようになるなら」


領主代行から正式に領主になったのなら権限の全てを行使出来る。

代行では一部の権限に制限がかかっていた。


なので出来る事が増えるという事だ。


「とりあえず話せる事は大体話したからね」


「ああ、ではオルライト、正式に領主になるまでもう少しある、村の事は任せるぞ」


「はい、任されたわ」


そんな国王とは割と親しい仲でもあるオルライト。

私的な話になるとフランクになるのは昔から。


正式に領主になるまでもう一ヶ月を切っている。


手配などはすでに済んでいるとの事で、任期満了と同時に正式に着任する事になるようだ。

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