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ハロウィンの話

オルライトの領主代行としての仕事が終わるまでもう少し。

そんな中でもオルライトはしっかりと仕事をしている。

それは正式に領主になるに当たってその準備なども必要だ。

なので出来る事はしっかりとやる事になる。

「フユは学業なんかもしっかりやっているのよね？」

「まあな、一応大学生ではあるけど、趣味で学生服着てるだけで」

「その学生服は趣味なのね、卒業しても着ていいものなのかしら」

そんなオルライトも勉学は結構優秀だったりする。

体を動かす事は好きだが、座学も平均以上には出来るという事だ。

「それでフユは仕事で何かやったりしてるのかしら」

「この時期は月末がハロウィンだからな、今はアタシがお菓子をあげる側だけど」

「ハロウィン？それはお祭りか何かかしら」

「簡単に言うと子供が仮装して、家を回ってお菓子をもらうかいたずらするかってやつな」

「つまり子供が大人からお菓子をもらうみたいなお祭りなのね」

ハロウィンは本来は日本で言うお盆のような祭りだ。

今ではすっかり悪いイメージもついてしまっているが、本来はそういうもの。

なのでハロウィンは西洋のお盆だと思えばいい。

「仮装って事は何かに扮するっていう事でいいのかしら」

「ああ、ハロウィンの仮装は主におばけなんかに仮装する事が多いな」

「おばけ、ゴーストの事ね、ゴーストに扮して大人からお菓子をもらうのね」

「ああ、トリックオアトリート、それがお菓子をもらう時の合言葉だな」

「トリックオアトリート、お菓子をくれないといたずらする的な意味なのね」

日本では１０月末にハロウィンがある。

本場のハロウィンとは違うが、結構みんな楽しんでいるイベントではある。

ただハロウィンの本来の意味からは外れてしまっているが。

「それにしても面白そうね、ハロウィンって」

「まあ主に子供が仮装して大人の家を回るものだしな」

「つまり子供のお祭りっていう側面が強いのね」

「ああ、もちろん大人が仮装しても何も悪いっていう事もないけどな」

「そこはそういうお祭りだからっていう事なのかしら」

ハロウィンで大人が仮装してはいけないという決まりは特にない。

とはいえ子供のイベントである事は確かなのかもしれない。

なので子供達が楽しむ祭りである事は確かなのだろう。

「ハロウィンってこっちでも出来たりしないのかしら」

「菓子と仮装の道具が用意出来るなら出来るんじゃないのか」

「なるほど、それなら確かにそうよね、お菓子と言っても何を用意すればいいのかしら」

「別になんでもいいんだぞ、そんな大層なものを用意する決まりもないしな」

「ふーん、ならちょっと考えてみようかしら、面白そうではあるしね」

ハロウィンの菓子は別に大層なものを用意する必要はない。

寧ろ市販のクッキーやマフィンなどでもいいという事だ。

まあこっちの世界ではお菓子もそれなりにいい値段がするが。

「お菓子はそれなりにいい値段がするけど、普通に売ってるものを渡してもいいのよね」

「別に構わないぞ、アタシの世界のハロウィンも基本そんなもんだしな」

「ならこっちでやるのも特に問題はなさそうかしらね」

「でも異世界の祭りを導入してもいいものなのか」

「別に悪いという事はないでしょ、やるだけやってみるのも面白いしね」

なおハロウィンはあくまでも慰霊や鎮魂の意味合いがある祭りだ。

まあそれは昔の話と言えるのかもしれないが。

今のハロウィンは仮装大会に近いものになっているのかもしれない。

「そういえばハロウィンって仮装してお菓子をもらうお祭りでいいのよね？」

「本来は慰霊や鎮魂の為の祭りだったらしいな、それが海を渡って変化したんだろ」

「なるほど、本来はそういうお祭りだけど、他国に伝わって別物になったって事なのね」

「だと思うぜ、だからハロウィンをやるなら仮装してお菓子をもらってもいいだろ」

「それもそうね、そういう事なら出来なくはないとは思うし」

本来のハロウィンは慰霊や鎮魂の意味合いがある。

日本で言うお盆のようなものなのだが、日本では仮装してお菓子をもらう方がメインとなっている。

その辺は海を渡った事で変化したという事でいいのかもしれない。

「ハロウィンで渡すお菓子、何かあるかしら」

「クッキーとかマフィンとか、そういうのでもいいんだけどな」

「そういうところなら用意は出来そうね、そんな大層なものでなくていいなら」

「まあ何を用意するかなんてのは好きに決めりゃいいさ、そういうもんだしな」

「それもそうね、そんな難しく考えなくてもいいわよね」

こっちの世界でもハロウィンは出来るのか。

仮装と言っても何に仮装するのかは気になるところではある。

異世界のハロウィン、何をするのか。

「あとハロウィンに欠かせないのはかぼちゃで作るランタン、ジャックオーランタンだな」

「かぼちゃで作るランタンのジャックオーランタン、それも必要なのね」

「西洋の祭りだからこそなんだけどな」

そんなハロウィンをやるのも楽しそうというオルライト。

正式に領主になる前にやるイベントとしては最適かもしれない。

ハロウィン、異世界での仮装はどんな仮装になるのか。

そこはやってみるまで分からない。