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幼馴染以上恋人未満

村の発展と開発はだいぶ落ち着いてきた秋の季節。

そんな中でも開発出来る土地はほぼ使い切った様子。

とはいえ移住希望者はこれからも来るだろう。

村の発展と開発は一段落したようで、あとは今あるものをよくしていく事となる。


「ベルと引き抜いてきた研究者達も村にはずいぶん貢献してくれたものね」


「そうだね、僕が選んだ優秀な人達だからこそだよ」


「でも村の開発も落ち着いてきて、今後は領主として領地をまとめていかないといけないわね」


村の発展と開発はほぼ終わったが、使える土地はまだ残っているという。


そんな残りの土地を何に使うかも計画しているという。


「ベルが来てくれたおかげで助かってる事は多いし感謝の限りね」


「そうだね、幼馴染としてオルライトの無茶をなだめないといけないし」


「私ってそんな風に見られてたのかしら」


「昔から見てきたからこそだよ、貴族としては優秀でもじっとしていられない性格だしね」


「そういうところは昔からずっと見られてきたのねぇ」


ベルは幼馴染としてオルライトを子供の時から見てきた。

だからこそ恋人になるみたいな事は本人も意識していない様子。


結局は幼馴染で関係は止まっているという事なのか。


「とはいえベルがいたからこそ発展の速度が速くなったのは事実よね」


「まあオルライトなら領主の仕事ぐらいはこなせると思ってるしね」


「周囲の人からの評価が高いのは分かるんだけど、そんな大したものなのかしら」


「少なくともオルライトの行動力があったからこそ、この村の発展が出来たわけだし」


「過大評価な気はするけど、評価されてるのは確かなのよね」


そんなオルライトも正式に領主になる事はすでに決めている様子。

そうした手続きが完了するのに一ヶ月程度かかるので、早めに手続は済ませておく。


とはいえその日が来るまではあくまでも領主代行である。


「ベルは私の事が好きなんでしょ?昔からそうだったわよね」


「知っててそっちから言ってこないのは、なんかずるい気がするけどね」


「例え好意があったとしても私はベルと結ばれる気はないのよね」


「あくまでも友人としての立場でい続けたいって事かな?」


「私からしたら結婚はするとしたら、近い人より少し距離のある人の方がいいのよ」


オルライトの望む結婚相手の条件にベルは該当しないという事なのか。

とはいえ仕事のパートナーとしてはお互いに強い信頼関係がある。


村の発展にベルが大きな力になったのもまた事実だからこそだ。


「それにしても村の土地はまだ使える場所があるだけに、何か出来ないものなのかしらね」


「温泉計画なんかも終わって、村に建てた宿に温泉を引いたんだっけ?」


「ええ、今も継続してる計画は何かとあるから、任期が終わっても中断するとはいかないのよね」


「それはもう正式に領主になる事を決めてるからかな?」


「そのつもりだけどね、その上で何が出来るか考えていくつもりよ」


今も続いている計画は複数あり、動いている。

以前調査の結果により掘り当てた温泉は村の宿の名物となっている。


他にも様々な施設が村の名所へと変わったようである。


「それにしてもベルも科学の道に進みながら家の仕事も手伝ってて凄いわよね」


「まあ科学との相性がいいからね、家業に関しては」


「でも村に来る時に研究室は何か言わなかったのかしら」


「そこはきちんと申請をして許可をもらって来てるから問題はないよ」


「きちんと許可は得て来てるのね、まあそうでもなかったら解雇されてそうだし」


そんなベルもオルライトに対して好意があるからこそ、力になりに来てくれた。

とはいえ幼馴染以上の関係に発展する事は決してない様子。


オルライトもベルも本人なりに気持ちは理解した上で、関係の発展には至らないという事か。


「でもこの村もすっかり大きくなって、発展して、我ながらよくやったわよね」


「オルライトは領主としてはとてもよくやったと思うよ、これだけの発展を見れば分かるさ」


「とはいえまだ使える土地があって、何か出来ないか考えてるのよね」


「あと一月程度で何が出来るのかな」


「大きな施設の建設は人気終了日をすぎるから、出来れば小規模な施設とかがいいわね」


小規模な施設、それならそんな時間がかからずに建設出来る。

なので小規模な何かしらの施設を考えているという。


土地自体はまだ多少残っているのでそれをどうするかという事になる。


「まあとりあえず早めに着手しないとね」


「でも土地をこれだけ開拓して、八割近く使って発展したのは凄い限りだよね」


「専門の技術者がいるからこそでもあるんだけどね」


「そういう人達を引っ張ってきたのもオルライト人望だよね」


「人望、私ってそんなに人望があるものなのかしら」


オルライトが村人や連れてきた人達に慕われているのもまた事実。

それはオルライトに人望があるという事なのか。


人望というのは本人には分からないものなのだ。


「さて、ベルもこれからもお世話になるわよ、覚悟しなさい」


「ああ、任せておいてくれ、幼馴染としてしっかりと力になるよ」


「頼もしい限りね、嬉しいわ」


そんな幼馴染以上恋人未満といった関係の二人。

そこには長く見てきたからこその信頼がある。


その信頼があるからこそお互い言葉がなくとも任せられる。


領主代行の任期が終わるまであと約一ヶ月。

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