犬の嗅覚
オルライトの領主代行としての任期が終わるまでもう少し。
そんな中村に誘致した様々な人達は、村の人達の雇用にも繋がっている。
また婚約解消の条件はすでに達成しているため、あとは仕事をするだけ。
オルライトも正式に領主になるつもりで残りの期間をやり遂げる覚悟だ。
「犬も結構増えたのね、流石はプロのブリーダーというところかしら」
「これはオルライト様、ええ、犬達も番犬として立派に育っていますよ」
「番犬、今までも成果は上げてるって報告は受け取っているわよ」
番犬達も村に入ろうとする不届き者を捕らえる役には立っている。
嗅覚が優れる犬はそれだけ役に立つという事なのか。
「でも犬って鼻が利くからこそ役に立つという事ではあるのよね?」
「はい、実際麻薬の匂いを嗅ぎ分けたりも出来ますからね」
「そんな事まで出来るのは流石の嗅覚という事ね」
「この前も麻薬を持ち込もうとした人がいて、その人を捕まえましたから」
「麻薬、どこから入ってくるのかしらね、それ」
実際この国でも麻薬は取り締まっているが、それを使っている人もいる。
可能な限りは水際で食い止めているが、それでも完全にシャットアウトは出来ていないとか。
国も麻薬の調査はしているようで、主に他国から船で入ってくるようではある。
「麻薬の話は国からも報告を受けてるけど、この村にも入り込もうとしてたのね」
「そうっぽいです、国も調査はしているとは聞いていますが」
「麻薬、本当に厄介な話ね、それも他国からなんて」
「犬の嗅覚があるからこそ、入口で止められるんですよ」
「荷物のチェックとかは本当はしたくないのはあるんだけどね」
オルライトも村にそうしたものを入れないために出来る限りはしている。
番犬もそんな麻薬の流入を止める役には立っている。
しかし船で入ってきて、そこから他の領地に運ばれたりするのが厄介な話ではある。
「麻薬が入ってくるのって海から入ってくるらしいけど」
「チェックはしてても通り抜けるものもあるんですよね」
「犬の嗅覚があっても完全には防げないのは厄介なものよね」
「だからこそ持ち込んだ人を早急に捕まえないといけないんですよ」
「麻薬って他国だとそれが普通に使われてるような危険な国もあるって聞くし」
麻薬の話は可能な限り入国などで食い止めなければならない。
国も麻薬の捜査や調査にここ近年は力を入れているとのこと。
どんなに本気を出してもそれをくぐり抜けてくる事はあるのだから。
「麻薬なんて他国の話、ともいかなくなってきたのねぇ」
「どこから入ってくるかなんて分かりませんからね」
「でも村にまで入り込もうとしてるのは怖い話だわ」
「麻薬はそれこそ非合法なので、持ってるだけで犯罪者になりますからね」
「どうしたものかしらね、出来る事にも限界はあるし」
それでも番犬達が役に立っているのもまた事実。
その嗅覚で麻薬の匂いを嗅ぎ分けているのだという。
しかし麻薬の話は確実に他人事ではなくなりつつある。
「麻薬を食い止めてくれているだけ、この子達が優秀なのは分かるわね」
「はい、我々が育てた立派な番犬ですから」
「それだけプロの仕事っていう事ね、感服するわ」
「まあそれでも我々はブリーダーとしては新人ですよ」
「でも送り出したからには期待されているという事じゃないかしら」
村に来ている二人のブリーダーはどちらも新人である。
とはいえ村に送り出したからには信用されているという事でもあるのか。
それも含めて番犬達は数も増え、しっかりとその役目を果たしている。
「それにしても麻薬を見つけられるような教育も出来るなんて凄いわね」
「基本的な事は叩き込まれていますからね、それぐらいは出来ますよ」
「それでも犬達をしっかりと躾けて、教育しているだけでもその腕前が分かるわね」
「はい、なのでこれからもしっかりと仕事をしていく所存ですよ」
「番犬が頼もしいとそれだけで安心感があるという事よね」
オルライトも番犬達への信頼は厚い。
とはいえ麻薬を入口で食い止めている事からもその優秀さが分かる。
麻薬は確実にこの国に入り込み始めているからこそだ。
「麻薬を食い止める事はそれだけ国の平和を保つ事になるからこそよね」
「船で入り込んで、そこから人力で広がっていくとは聞いてますよ」
「空のルートは検査が厳しいから、船という事なのよね」
「そうなるのでしょうね、船は空の便に比べたら持ち込みやすいですし」
「とりあえず嗅覚に優れる犬に期待するのが一番いいのかしらね」
犬の嗅覚は麻薬を水際で食い止める上で役に立つ。
国もその調査のために犬を育てる事に力を入れ始めたという。
麻薬は確実に他国から入り始めているという事のようだ。
「とりあえず番犬達にはこれからも期待してるわよ」
「はい、お任せください、麻薬の事も含めてですね」
「麻薬、危険なものが入り始めてきてるものねぇ」
そんな番犬は村の治安維持に確実に役に立っている。
麻薬の話の報告も受けている以上番犬はさらなる活躍が求められる。
番犬が仕事をするからこそ麻薬が広がるのを防げているのだ。
麻薬は船で運ばれてくるとの事らしい。




