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オルライトの人望

季節は夏に突入し村の気温も暖かくなってきた。

そんな中今は四年目なので、今年の秋になれば任期は満了となる。

オルライトの任期が終わった時にどうなるかは今は分からない。

正式に要請が来ればその時は領主の仕事は受けるつもりではあるらしい。


「建物もずいぶん増えたものね」


「村は今では街ですからね、これもオルライト様が本気で開発した結果ですよ」


「ええ、それにしても神照宮大工って本当にプロ集団なのね」


オルライトが最初に交渉に行った神照宮大工。


彼らの腕前の凄さを村の建物から改めて思い知らされている。


「それにプロが建てるんだから、立派なのは当然なのよね」


「ヘクセンハウス家の建材を使えてるのも大きいですしね」


「それだけベルの家の建材って凄いのね」


「ええ、流石は建築で成り上がった貴族様ですよ」


「神照宮大工でも認めるぐらいに凄い家なのね」


そんなベルの家が開発した建材は今や世界のシェアの多くを取っている。

その建材はそれだけ本物という事なのだろう。


そんなオルライトも村のみんなの事は信頼している様子。


「でも神照宮大工の親方はそれだけ人望があるのね、驚いたものよ」


「そういうオルライト様だって人望はあるでしょう」


「実際下の人達がついてきてくれるっていうのはそれだけ大きいのよね」


「そうですね、人望がある人は上に立つべきっていう話なんですよ」


「でも人望やカリスマを持つ人がみんな善人とは限らないでしょ」


神照宮大工の人が言うには、人望やカリスマを持つ人が上に立つべきという。

その一方で人望やカリスマを持つ人がみんな善人とは限らないとオルライトは言う。


だからこそ人を引っ張るというのは難しい事でもあるのだ。


「でも神照宮大工の親方はそれだけ人望があって、人柄もいいのよね」


「自分からしたら親方の下で働けているのは嬉しい限りですからね」


「本当に慕われているのね、凄い人なんでしょ?親方って」


「ええ、あの人はそれだけの仕事を成し遂げてきたんですよ」


「そんな立派な人がトップなんて言うのは嬉しい限りね」


村に来ている神照宮大工のトップは本部の親方と仕事をした事もある人。

そんな人だからこそ仕事に誇りを持っているという事なのだろう。


本部の親方はもっと凄い仕事もこなしてきたようではあるが。


「神照宮大工ってそれこそ歴史が長い組織なんでしょ」


「ええ、先代の国王の時にはすでに500年やってる大工でしたからね」


「先代の国王の時にはもうそんなに長くやってたのね」


「だからこそ仕事には誇りを持ってるんですよ、いい加減な仕事は出来ませんからね」


「流石は職人の集団っていう感じがするわね」


神照宮大工はそれだけ仕事に誇りを持っている集団という事。

親方に人望があるというのも納得なのだろう。


だからこそ村の家も立派なものが建つというものだ。


「でも歴史のある組織で、この国の大きな建物の多くを建ててきたのは大したものよね」


「それだけ信用されてるんですよ、信用はコツコツと積み重ねるしかないですからね」


「だからこそ信用が崩れるのも一瞬なのよね」


「ええ、神照宮大工はそんな信用を積み重ねてきたんですよ」


「親方に人望があるというのも納得よね」


そんな親方、村に来ている大工たちのまとめ役もそれだけ立派に仕事をこなしてきた。

信用は積み重ねていくものであり、崩れるのもまた一瞬。


オルライトが村の人達に頼りにされているのもそんな信用があるからこそなのだろう。


「人望があるっていうのは自分ではよく分からないものなのよね」


「でも慕われてるって事は人望があるって事だと思いますよ」


「それはそうなんだけどね、でも信用は地道に積み重ねるしかないのよね」


「オルライト様が慕われてるのはきちんと現場の声を吸い上げてるからでしょうしね」


「まあ本当に必要なものは現場の声を聞かないと分からないものよ」


オルライト曰く本当に必要なものは現場の声を聞かないと分からないという。

村の人達からすれば、オルライトという個人を慕っているという事なのか。


個人として慕われるというのはそれだけ意味があるという事でもある。


「でも私も神照宮大工の親方もそうだけど、慕われてる人っていうのは嬉しいものなのよね」


「この人の下でなら喜んで働きたい、そう思える上司は大切なんですよ」


「私もそう思われてるっていう事なのね」


「だと思いますよ、オルライト様個人が慕われてるのかと」


「私個人が、それはそれで悪い気はしないわよね」


人望があるというのはそれだけ大きな意味がある事。

村の建物の多くを建ててくれた神照宮大工には感謝しかない。


そんな頼りになる人達がいるからこそ村は発展を遂げたという事だ。


「私の任期が終わるまではよろしく頼むわね」


「はい、任せておいてください」


「みんな頼もしくて嬉しい限りね」


そんな神照宮大工のまとめ役は人望があり慕われている。

オルライトもまたその人望が人を引っ張っている。


人望というのはそれだけトップには求められてくるもの。


地道に積み重ねてきた信用がその人望という事なのだろう。

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