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魔法と金属

秋の気配も本格化し涼しくなってきた秋の季節。

そんな中農作物なども秋のものが収穫され始める。

農業なども盛んになり、名物なんかもたくさん出来てきた。

四年目までに出来る事はなんでもやっていくつもりだという。

「ねえ、ちょっと気になったんだけど」

「なんでしょうか、オルライト様」

「エルフって金属をの道具とかをあまり好まなかったりするのかしら」

オルライトが疑問に思ったのはエルフは金属の道具をあまり使わない事。

そこには種族の特徴のようなものがあったりするのか。

「エルフは金属が苦手だったりする？」

「ああ、その事ですか」

「エルフって金属に対して何かあったりするの？」

「エルフが魔法を使うのは存じていますよね」

「ええ、それは有名な話よね」

エルフがなぜ金属を好まないのか。

それは魔法という技術に関係しているという。

魔法は精霊の力を借りて行使する力であり、精霊は金属を嫌うのだという。

「何かしらの理由があったりするのかしら」

「魔法の行使に必要な精霊が金属が苦手なんです、なので金属は極力身につけないんですよ」

「へぇ、精霊って金属が苦手なのね」

「ただ金属と言っても多様です、銀などは好むのですが、鉄は苦手としていたりとか」

「ふーん、金属によっていろいろあるのね」

精霊が苦手とするのは鉄や鉛といった金属なのだという。

その一方で銀や金といった金属は精霊の力を伝導しやすいとも。

なので精霊との相性もあるのだというが。

「でもなんで鉄や鉛は駄目で、金や銀はいいのかしら」

「精霊にも複数いて、その中に金の精霊なんかがいたりするんですよ」

「へぇ、だから精霊の属性の関係でっていう事なのね」

「なので鉄製品なんかはエルフは最小限しか身につけないんですよね」

「でも村だと農具なんかは鉄だったわよね」

エルフは鉄の道具や装飾品は最低限しか身につけない。

それは精霊とのコンタクトに支障が出るからだという。

なお最低限なら特に問題はないという。

「エルフにもいろいろあるのね」

「そうなんですよね、あとエルフは動物性の食べ物も苦手だったりしますし」

「でも普通に食べてなかったかしら」

「その辺は環境への適応としか言えませんね」

「エルフっていうのも大変なのね」

ただエルフは金属、特に鉄や鉛などの金属が苦手なのは確からしい。

銀や金は精霊にもそれを司る存在がいるからこそ平気だったりするらしい。

その辺は精霊が司るものも関係しているのだろう。

「エルフとダークエルフの違いなんかもあったりするのかしら」

「ダークエルフはエルフと違い金属や動物性のものも平気というのはありますね」

「その辺は種族的な特徴って感じなのかしらね」

「ただ金属に一切頼らずに生きるというのは難しいので、その辺は上手く付き合ってますよ」

「確かに、完全に回避しようとして出来るものではないわよね」

金属を完全に回避しようとしてもそれは無理という話である。

なので最低限の付き合いだけはしていくなどで妥協しているという。

それは食べ物において特定の食材を完全に回避するのが難しいみたいな話なのかもしれない。

「でも鉄や鉛などの金属が苦手な理由って精霊が苦手にしてるからだったのね」

「ええ、実際銀や金は精霊がいるからその土地から産出されたりもしますからね」

「そんな事もあるのね、精霊の力って凄いのねぇ」

「精霊の力が強い土地には金鉱山や銀鉱山がある国もありますしね」

「精霊がいるから豊かな資源がある、そういう話もあるのね」

ちなみにこの村は水や風の精霊がいるらしいという。

その土地に豊かに存在しているものと精霊はリンクしているのだとか。

海沿いの領地なんかは水の精霊の加護が強いのだという。

「とりあえずエルフが鉄を苦手にしてる理由が分かったわね」

「とはいえ鉄というのは人間と一緒に暮らすうえでは避けて通れませんから」

「鉄や鉛、そういう金属が苦手な一方で金や銀は平気なものなのね」

「精霊というのはエルフにとっての信仰ですからね」

「精霊信仰、人間が神様を信仰してるみたいなものなのね」

なんにせよエルフと精霊の関係が鉄や鉛などを苦手とする理由らしい。

尤も金属アレルギーのような事は特にないともいう。

あくまでも精霊とのコンタクトに支障が出るという事なのだと。

「苦手だけど特に問題はないって事でいいのね？」

「はい、なので心配はご無用ですよ」

「分かったわ、話を聞かせてくれてありがとうね」

エルフは鉄や鉛などの金属が苦手で金や銀は特に平気。

村で暮らす上で回避するのは難しい事でもある。

上手く付き合っているのは環境への適応なのだろう。

金属は魔力を阻害するという事なのかもしれない。