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完成品の評判

夏も後半に突入し暑さは少しではあるが落ち着いてきた。

とはいえ暑さはまだ続くので油断は出来ない。

この先秋に入っていけば秋の味覚なども出始める。

そんな中以前からやっていた事の完成品も多く挙がってきているようだ。


「あら、評判の方はどうかしら」


「これはオルライトさん、料理の方は概ね評判ですよ」


「そう、ならとりあえずは一安心かしらね」


カレーやアイスなんかは完成品が上がってきていて、食堂でも出されるようになった。


食べに来る人達には概ね好評をいただいているようである。


「それにしてもまさかスパイスまで作るようになるなんてね」


「ええ、ですがカレーやアイスなんかは材料が安定して手に入るからこそですね」


「そうね、でも輸出なんかも想定してるから、安定した収穫は大切になるわよ」


「しかしみなさんの故郷の味なんかも再現出来ている辺り、大したもんですよ」


「食堂の人達って想像よりも腕が立つわよね」


元々は前の領主の下で働いていた料理人なんかもいる。

そういう人達が直訴して今は食堂で働いていたりもする。


なので元々食堂で働いていたおばちゃん達も腕はどんどん上がったようである。


「カレーやアイスもそうだけど、他にも移住者の故郷の料理なんかも出せているものね」


「異国の料理も多く並ぶ食堂というのも面白いものですよね」


「ええ、とはいえメニューも増えてきていて今では王都の料理人も視察に来たりしてるし」


「噂が広まるのは速いですねぇ」


「村で作ってる食材でいろいろ作ってるからこそ出来る事よね、成果は出始めているわ」


三年目ともなれば成果は確実に出始める時期でもある。

移住者の家や、他にも様々な施設が建った事で生活も豊かになってきた。


そして計画も少しずつ片付いてくる時期でもある。


「そういえば村の方は落ち着いているかしら」


「はい、今は大きないざこざもなく落ち着いてますよ」


「自警団が強くなったのは大きいのかしらね」


「ええ、あの自警団に歯向かおうなんて人は恐れ知らずもいいところですしね」


「住民も増えてきて特に何もなければ約束は果たせそうね」


バルカもオルライトの手腕は認めている様子。

とはいえオルライトにとっては婚約解消のための領主代行でもある。


約束の期間が終わってからの事も考えないといけない時期である。


「そうだ、地下水の件があったわよね」


「以前見つけたやつでしたか、あれが安定して飲めるようになれば水も産業になりますね」


「話を聞いたんだけど、王都より辺境の方が水が美味しいって事みたいよ」


「やはり地下水も開発が進んだ王都より綺麗だったりするからなんですかね」


「村もここまで開発が進んだけど、確かに王都の水よりは美味しいのよね」


水が美味しいと言うオルライト。

それはやはり地下水も綺麗だからなのだろうか。


そんな地下水を産業に出来ないかどうかが今の計画だ。


「それにしてもこの村にはまだ知らない何かがあったりするのかしら」


「その可能性はありますね、それが見つかったら報告します?」


「そうね、それがいいわ、何か見つけたら報告してね」


「分かりました、ではそうさせてもらいます」


「桜の木の再生もあるし、地下水の事もあるし、まだまだ何かとありそうね」


桜の木の再生には土の質をよくする事から始まる。

地下水の方は水を汲み上げる設備などを建てなければならないという事になる。


また夏に涼める施設の方は夏が終わる前には完成しそうとのこと。


「でも想像以上にこの村には何かがあるみたいね」


「私も知らないものがいろいろ出てきて驚いてますよ」


「バルカでも知らないものがあるなんて、想像以上に何かあるのかしらね」


「でもそれらが村の発展の為に役立つのならいいってもんですよ」


「国の計画なのに、反対とかはそこまでしないのね」


バルカは村の開発は割と好意的に受け入れている様子。

村の開発による発展は生活が豊かになると理解しているからなのか。


その辺は村人も受け入れているので、バルカの人望が窺える話でもある。


「とりあえず夏も後半だし、秋になったらまた新しい計画を考えないとね」


「作物なんかもまた新しいものが作れるといいんですが」


「新しい作物、南国の果物も進めてるけど、他にも何かないものかしら」


「服や薬、他にもそういう道具類なんかもいろいろやってるんですよね」


「ええ、とはいえ長期的にやる計画だから、報告が挙がるのを待つだけよ」


長期的にやっている計画も多く、それらの成果がそろそろ挙がり始める時期だ。

機械や服や薬、そうしたものが安定して作れるようになればまたいろいろ面白くなる。


そしてまた新たな計画も考えていく事になる。


「さて、私も食べていこうかしら」


「美味しいですよ、流石って感じです」


「なら楽しみね、あと必要なものとかあったら遠慮なく言ってきていいから」


そうしてオルライトだけの力ではここまでの発展はなかった。

それに加えて村から見つかるものもまた多い。


バルカも知らないものが村にはたくさんある。


そうしたものを探すのも楽しいかもしれない。

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