モノローグ・バイエルン3
ふははははははは! さすが我輩だ!
サーペントとコカトリスの大群など我の敵ではないわ!
冒険者どもを手足のように使い、見事討ち果たしてやったわ!
ふははははははは!
メルティちゃん(馬)……。パパ、かたきはとったからね……。
ほろりと落ちる涙……。
む、いかん。感傷に浸っている場合ではないな。
そうだ、冒険者どもには褒美をやらねばならぬな!
前回は金貨6枚と言ったが、少しもったいないな。一人金貨5枚にしよう。
なんという良案か。さすが我輩である!
我輩が黒と言えば、白も黒になるのだ! 当然のことであるな!
ただし、あのケイゴオクダという奴には特別に金貨を6枚も進呈しようではないか!
ふ……。なんと高貴な心づかいであることよ。
しかし金貨1枚も上乗せするとはな。我輩は人心を掌握する術にも長けておるようだ。
あまりにも天才的すぎる自分の才能に震えてしまう。
だが、これであやつも我輩に忠誠を誓うことであろう。これが我輩の、貴族としての鏡と言われる所以よ!
吾輩はレスタ・フォン・バイエルン。ランカスタ王国屈指の大貴族の名であるっ!
平民どもよ、よく覚えておくがよい!!!




