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それから俺とターニャは誰にも迷惑のかからなさそうな森の奥に移動し、ゲットしたスキルの確認をすることにした。よくわからないスキルはシルベストさんに使い方を聞いた。
ターニャと俺のステータスは大体同じくらいで、アベレージ15000程度。こちらの世界に来た当初の自分のステータスが一桁だったことを考えると、とんでもない数字だ。
俺もターニャと同じく【神獣の加護を得た勇者】の称号をゲットした。神様が違うのだから勇者が複数いるのもOKなのか、称号をゲットしたからこそのステータスの高さなのかもしれない。いずれにしても、ここへ来ての大幅な戦力アップはありがたい。
ゲットした戦闘系スキルは、【神獣爪斬】、【牙狼剣】、【縮地】、【空歩】、【魔法多重詠唱】、【眷属召喚】の6つ。あとはそれぞれの神様とフェンリルが得意とする各種上位魔法を覚えた。フェンリルは風と雷、ククノチ様は地と植物、グラシエス様は竜と聖属性の魔法といった感じ。
【神獣爪斬】は手足の爪による切り裂き技、【牙狼剣】は剣による突進技、【縮地】は短距離の瞬間移動技、【空歩】は空中に足場を作り移動する技、【魔法多重起動】は複数の魔法を合わせて発動する技、【眷属召喚】はフェンリル系譜の各種狼モンスターを召喚する技だ。
俺はそれぞれのスキルの使い勝手を試しつつ、ターニャと模擬戦を繰り返す。
各種魔法と召喚スキルが加わったことで、かなり戦術の幅が広がった。
召喚スキルは炎狼、影狼のように炎で翻弄したり気配を消して不意打ちするのに適した種族、風狼のように移動速度が速く騎乗に適した種族などバリエーションに富んでおり、緩急をつけた攻め方ができるように。
魔法多重起動のスキルも面白くて、雷と植物を合わせると雷を鞭のように操って攻撃するサンダーウィップ、竜と雷を組み合わせるて竜鱗外皮に雷を纏わせて肉弾戦をするサンダースケイルを生み出した。
ターニャ相手に練習をしていると、似たようなスキルとステータスということで閃くことが多いので、朝に模擬戦をするのはこれからの日課にしよう。




