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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 日本の一流商社でエネルギー関連部署に勤めていた俺は、商売の力を極めることが国や世界を牛耳るに等しい行為だということを理解していた。


 エネルギー関連でいえば石油、ガス、石炭がないと電気がつくれないし、電車、バス、船舶、航空機を動かすことができない。電気が使えず交通機関も麻痺しているとなると、それはもう国がまともに機能している状態とは言えなくなる。


 商売を極めれば極めるほど、国の根幹に深く食い込んでいくことになるという一例だ。


 その他にも食料がなければ民は飢えるし、金属がなければ製品作りや建築ができなくなる。


 商売の物流網ロジスティクスは人体における血管のように複雑に絡み合い、まるで生命活動のように世界全体の経済を正常に機能させている。


 この物流を阻害する原因はいくつかあるが、代表的なものを一つあげるとすれば【戦争】だろう。戦争が起こればその地域では物流が混乱し、世界経済にとっては良くない影響を与える。


 新入社員時代のまだ目が死んだ魚のようになる前の俺は、そんな世界を相手に商売を通じて人々の平穏無事な生活に貢献するのだという理想に燃えていたものだ。


 ラフィットが何を目的としてやっているのかはわからないが、サラサの言う通り商売の力を悪用し各地で戦争を引き起こしているのだとすれば、それは元商社マンとしての俺のポリシーに真っ向から反していることであり、許せないことだった。


 だが一地方の領主にすぎない俺と、大国を牛耳り網目のように世界中に商売網を張り巡らせているラフィットとでは比べるべくもない。なので動くにしても大っぴらに対決姿勢を見せるのではなく、ある程度の腹芸は必要となる。


 今回のパニックヒュドラワーム騒動も表立ってラフィットが犯人であると糾弾することを避け、ヤツの影響下にある勢力を敵に回さない立ち回りが求められる。


 裏でラフィットの影響力を削ぐような方法は何かないものか……。

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