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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-516

 サラサの調査の結果、戦争絡みでどうやらかなりの裏金がラフィット絡みで蠢いている気配があった。ここもここもと世界地図にある紛争地域を指さしては、ここが怪しいとサラサは答えた。


 結果、以前エリューン様の森が戦争で荒らされていたのも、どうやらラフィットが関与しているのではないかとの疑惑が浮上。


 シーナさんはシーナさんで、紛争地帯での黒い噂を聞いたことがあるそう。またラフィット商会の20年分の帳簿の写しを入手しており、妹さん移送の際にスラムから持ち出しているとのこと。


「でもまだ裏が取りきれていないのが正直なところ。これだけの情報を私だけで洗うなんて無理があるわ。ということで入ってきくれるかしら」


 サラサの合図で彼女の部下が扉を開けると。


「久しぶりだなケイゴ、サラサから話は聞いてるよ。しかしあのラフィットに喧嘩を売るなんて、マジであんちゃん何者なんだ?」


「アラン、ケイゴは仮にもランカスタ王国貴族。失礼ですよ」


 部屋に入ってきたのはレスタ商業ギルドのトップ2、サラサ父のアランさんとアイリス父のディーンさんだった。その付き添いとしてアイリスも入ってきた。


「彼らにも調査に加わってもらうわ」


 そこで俺は一言。


「じゃあ改めて、ラフィットを丸裸にしてやりましょう。そんでついでに世界も救っちゃいましょう。世界とやらが何なのかは、俺にもよくわかっていませんがね」


「ついでかよ! 面白いやつめ。お前はこの中で誰よりも肝が据わった商人だよ」


 とアランさんがガハハと俺の背中を叩きながら豪快なツッコミを入れてきた。


 そう、俺はいつの間にか元一流商社マンとしての意地、理想に燃え目が輝いていたあの頃の気持ちを取り戻していた。そして異世界にきてまでも相も変わらず一部の金持ちと権力者が金だ戦争だと争い続け、庶民や子供が泣かないといけないこのクソったれな世界に、商売の力で風穴を開けてやろうと決めたのだ。

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