k-512
町中を確認しつつヴォルフスザーン城に戻った俺たちは、すぐに事件の捜査にとりかかった。
念のためレスタの町の被害状況も確認したが、出現したのはパニックワームのみで、あのデカいのまでは出現していないようだった。
ただし未だに散発的にパニックワームの襲撃は続いているようなので、予断は許さない。うちの町でも、限界態勢を強いているため下火にはなってきているが油断するといつまた襲撃されるかわかったものではない。
襲撃犯を叩かないことには、事件の真の解決とはいえない。
レスタには、兵士長のドニーさんにこちらが掴んでいる情報を持たせた伝令を走らせ、パニックワームの皮製マスクを100枚ほど渡すことにした。
また連戦になってしまうが、首切りに参加したハルバート部隊から増援パーティを1パーティ編成し、レスタの救援に向かわせた。
レスタにパニックワームが出現するようになったことの責任の一端は俺にもあるし、レスタにもパニックヒュドラワームが出現するようなことがあれば、おそらく町を守り切れるかどうかも怪しい。その場合は改めてサラサがもっている通信の魔道具に知らせるよう、兵士に指示した。
さて、こちらでもやるべきことをやろう。一連の事件の犯人の特定と身柄の拘束である。
「まあ、手がかりはあるからな」
それはパニックヒュドラワームが出現する直前に捜査本部に飛び込み通報してくれた、トラキアの女諜報員シーナさんだ。




