表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

570/617

k-486

 工房アトリエから外に出ると、雨上がりの雲間に光が差し込んでいるところだった。陽の光を歓迎する小鳥たちが、美しい旋律を奏でている。


 俺は雨に濡れた緑と土の匂いがする空気を思い切り吸い込み、肺を満たした。


「こんな気持ちのいい日には、きっと良いことがある」


 教会にやってきた俺、キシュウ先生、ホワイトさんは、氷漬けになったジュノ、ジョニーの遺体とマペットの魔核を礼拝堂にあるグラシエス様の神像の前に置いた。


 礼拝堂には、知らせを聞いたサラサやマルゴ、ユリナさん。ナティアさんに付き添われたエルザと娘のリンちゃん。ジュノを慕っていた部下たち。ジョニーの部下たち。他にも本当に沢山の人たちが集まってきている。


 さっきから娘のリンちゃんが「ママ、ママ」とエルザを呼んでいるが、エルザは虚ろな目のまま反応がない。正直見てられない。


 ジュノを生き返らせなければ。


 蘇生術の前、験担ぎにシスターのシャーロットさんに成功祈願のお祈りをしてもらうことになった。


 ホワイトさん曰く、教会という神聖な場所にも魂魄こんばくを清め健やかな状態に保つ効果があるそうで、聖職者の祈りがテイムモンスターの魂魄に働きかけることで復活の可能性が上がる効果が実証されているそうで、人の魂魄にも高確率で効果が期待できるだろう。


 今は神にでもすがりたい気分だった俺は、周りのみんなに合わせて手を組んでお祈りのポーズ。心の中で「蘇生が成功しますように」と祈った。


 心なしか、不安な気持ちが薄れた気がする。


 さあ、覚悟は決まった。


「それでは始めます」


 みんなの前に出た俺は、蘇生術の開始を宣言した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ