表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

548/617

k-466

 ギデオンの攻撃に気付いたジュノとジョニーが同時にターニャを突き飛ばしてかばった。



 ジュノとジョニーがギデオンの放った毒々しい色をした電撃を食らってしまった。


 ビクンビクンと体を痙攣させるジュノとジョニー。体からは煙が立ち上っている。



 それを見た仲間たちが呆然とする中、アッシュが真凱旋獣歌マリス・ブレイブソングの遠吠えをしてメンバーを勇気づけ我に返らせた。


 そしてアッシュは率先してギデオンに挑んでいった。



 ギデオンもアッシュの相手を始め、それ以上ターニャたちに追撃をすることはなかった。


 アッシュ世界一いい子。



 とにかく今は戦線維持だ。


 俺はホワイトさんのハト経由で呆然とするターニャに「しっかりしろ。ジュノ達の治療の間、ギデオンの足止めを頼む」と、ジョニーの子分二人にはジュノとジョニーをこちらへ担いでくるように指示出しをしたのだった。



 ……



 そして子分二人に運ばれてきたジュノとジョニーは想像以上に酷い状態だった。


 全身の皮膚が焼けただれていた。それに呼吸確認と脈診をしたが、心肺停止状態だった。



 俺とミズチさんはすぐに心臓マッサージ、回復魔法、ポーションと治療を施した。



 それでも二人が回復することはなかった。鑑定にも【死体】とはっきりかかれている。


 でもそんな鑑定結果がなくたって、二人から命の灯が消えていることは一目瞭然だった。



 ミズチさんはその事実を受け止められないのか、涙を浮かべながら回復魔法をかけ続けた。


 俺は彼女の肩に手を置き、首をふった。


 ようやく我に返った彼女は、その場でへたり込んだのだった。




 今は悲しんでるときじゃない。指揮官は俺だ。しっかりしろ、頭を働かせろ、考えるんだ。


 じゃないともっと犠牲が出てしまう。



 俺は自分にそう言い聞かせて、思考停止に陥りそうな頭を無理やり動かした。




 ――ターニャはギデオンに傷をつけることができなかった。


 犠牲者も出てしまった。


 このまま戦ってもじり貧なのは明らかだ。なんの戦果もなく撤退するのは痛いけど、損切りは早ければ早いほどいいとも言う。




「ホワイトさん、全員に撤退を全員に伝えてください。例の手段を使って時間稼ぎます」



 ジュノとジョニーの遺体はホワイトさんの魔法で念のため氷漬けにしてもらい、ビードラのテイムホテルに収納した。



 彼らのような犠牲を増やさないためにも、俺は絶対に使いたくなかった逃亡作戦を実行することにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ