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ホワイトさんの船室を覗くと、クルルポの羽が宙を舞っていた。宴会芸の練習中かな?
ちなみにもともと同じ船室だったタンク職のゴッズさんからクレームが入り、ここは今ホワイトさんの一人部屋となっている。
ゴッズさんは、ハトのフンが顔にかかって眠れないと嘆いていた。
俺もそんな部屋で数週間過ごしたいとは思わないので、ゴッズさんの嘆願は正当なものなんだと思う。
何はともあれ、くるっぽくるっぽ鳴くハトたちを踏まないように気を付けつつホワイトさんの部屋に入ると、ホワイトさんに挨拶。
ビードラの進化先のことを相談してみた。
中腰で俺の手から紙を受け取ったホワイトさんは、紙に目を通すと、すぐに手をワナワナと震わせ始めた。
彼が手紙を読んでる間、テイムホテルの中に手を伸ばしてビードラの頭を撫でてあげる俺。
クルルルと気持ちよさそうに喉を鳴らすビードラ。
こんなにゴツくても愛情がわくもんだなとしみじみ。
すると手紙を読み終えたホワイトさんが、目をひん剥いてマシンガントークで何かをまくしたててきた。
俺の顔がスプラッシュマウンテン状態になってしまってるじゃないか。
「つば飛ばすのやめてください。もうちょっとゆっくりしゃべってください」
ジェスチャー混じりで、「落ち着け」のジェスチャーをする俺であった。
落ち着いたホワイトさんからゆっくり説明を聞くことができたのは、それからややしばらく経ってからのことだった。




