表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

519/617

k-438

 クラーケン(でっかいタコのモンスター)の縄張りを迂回し凪地帯に入った俺たちだが、ここが完全に安全かというと、どうやらそうでもないらしい。



 フライング・キラーフィッシュという、20センチ大の羽の生えた殺人魚の大群が飛来してくることがあるそうなのだ。


 木の盾くらいだったら軽く貫通して体内にめり込んでくるくらいの威力があるらしく、それが数百という単位で襲いかかってくるというのだ。


 まるでB級パニック映画である。



 だが、どうやら冗談という感じでもないので、ツッコミを入れたい気持ちをグッとこらえる。


 その反動なのか、俺の脳裏に体内に殺人魚の卵を植え付けられ、食い破られる映像が浮かぶのだった。




 バーデンさんによると、クラーケンの縄張りルートだとほぼ100%船が沈没するが、殺人魚ルートだとフィフティ・フィフティで遭遇しないで通ることができるらしく、「どうだ、安全だろう?」とドヤ顔をされた。


 ちなみにクラーケンと同じく迂回は必須とされる海竜シーサーペントも、その縄張りに入れば生還は100%不可能なのだそうで。



 いやいや。



 ……まあ、事前に何が来るかわかっているだけマシだと思うことにするか。



 それはさておき、対策を考えなくては。



 バーデンさん曰く、まず間違いなく膜でしかないドームは貫通してくるだろうとのこと。


 一応ないよりはマシということでドームはそのままにしておくことにした。破られても、もう一度貼り直せば良いだけだしな。


 船の自律防御とテイムモンスターの防御網もそのままで。



 次に全員、凪地帯の間は防具を身につけた上で、盾を持ち歩くことにした。


 盾を持ってない人にはテイムホテルにぶち込んでいた俺のサブ盾を貸してやった。


 見張りは3人から5人に増やしてルーティンを組み直した。



 あと殺人魚は光や音に反応して寄ってくるらしいため、飯は船内で食うことにして、船上や外部での光は極力使わないことにした。



 できることはやった。


 あとは遭遇しないよう祈るだけだ。



 ……



 凪地帯に突入してから二日目の早朝のことだった。


 寝起きで冴えない頭を目覚めさせようと、水桶で顔を洗っていたその時。



 ホワイトさんが構築した警報システム(蜘蛛やハトの視覚、触覚情報を船内の別のハトが音声で伝達するもの)が殺人魚の襲来を伝えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ