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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-436

 上陸するまでは二週間以上の船旅となる。緩みすぎてもいけないが、緊張しすぎて疲れてしまうのはもっと良くない。


 何事もメリハリが必要だからな。



 ということで船室に荷物を下ろした俺たちは、手分けして精霊樹の風呂を焚き、食事の準備をすることにした。といっても料理はボクゼンさんが、風呂は秘書兼メイドのメアリーさんがほとんど用意してしまったが。



 船の甲板はドームのおかげで、波や風もなく穏やかで明るく雰囲気がいい。


 俺は甲板に全員が座れる大きめなテーブルと丸椅子を作り、そこでみんなで食事をとることにした。


 風呂に入りたい人は風呂に入り、食べたい人は食べてみたいな自由な感じで。



 モンスターが出た時の見張りは3人一組の3時間交代制で今はホワイトさんたちパーティが担当してくれているので、ハメは外せないけど、3時間だけの我慢だ。



 それ以外は酒を飲むのもOKにした。


 酒造会社秘蔵の日本酒、ウイスキー、ワインなども樽ごと持ち込んでいるので、海から引き上げた(精霊樹の枝をかごのようにして捕らえた)魚の刺身と一緒にやった。


 エビや毛カニ、たいっぽい魚と色々獲れたけど、中でもフグの刺身が絶品だった。


 毒があるからと捨てようとしていたボクゼンさんに俺がストップをかけたのだ。毒をきちんと切り分けてきちんと調理すれば、こんなに美味いものはないんだと力説してね。


 出来上がったものもきちんと鑑定スキルで毒がないかを調べて食べた。


 これを肴に日本酒や焼酎をぐいとやる。最高である。



 マルゴなんかは気分が良くなったのか、上半身裸になって踊り出す始末だった。ターニャもアッシュと一緒にはしゃぎ出す。


 それにジョニーたちまで参加して、バーデンさんの雷が落ちてみんなから笑いが起こった。



 サラサがここにいたら、きっと真面目な彼女はきっと不謹慎だのと言って怒っただろう。


 でもサラサとエルザもいたら、もっともっと楽しかっただろうな。今度は彼女たちも誘って船旅がしたいな。



 美味しい料理に舌鼓を打ち、俺たちは一時の安らぎを得たのだった。

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