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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-419

 俺の言葉をハインリッヒに伝えてもらうとバンデッド王は、



「なるほど。確かに連想ゲームの中ではそういった考えも成り立つだろう。しかしケイゴオクダはそうなることをまるで知っているかのようだな?」



 不思議そうにそう言った。



 だがこの王の疑問に答えるには、俺の秘密を明かす必要がありそうだ。



 これからここの技術を使って何かするなら、この土地の支配者であるバンデット王の協力は必要不可欠だ。


 ならば、ここは正直に自分の素性を明らかにすべきだ。


 それに俺はすでに一国の貴族。異世界人だと分かったところで、何かしてくる輩もそうそういまい。



「内密にお願いしたいのですが、俺は元々この世界の住人ではありません。文明がこの世界よりももっともっと進歩した場所からやってきました。だからなのかもしれません。この知恵の門と中の知識や魔動具がこの世界に何をもたらすのか私には何となくわかるのです」



 あのAIみたいな声の主は、だからこそ俺をここの管理権限者に設定にしたのかもしれない。



「だからバンデット王。この知恵の間やここにある魔動具の扱いは、慎重になられた方が良いと思います」



 俺の言葉をハインリッヒから受け取ったバンデッド王は、眉間にシワを寄せつつ、



「どうも理解が追いつかぬ。だが永らく開かなかったこの知恵の間をお主が開けたことには、先代方の何らかの意思が働いていると考えることができる。であるならば、確かにこの場所はお主に任せるのが道理ではあるな」



 バンデッド王はまるで自分に言い聞かせるかのように、俺に任せることを認めてくれた。


 よかった、何とか理解してくれたようだ。



 周りのみんなも俺の秘密に驚いた表情はしていたものの、次第に「そういうことだったのか!」とやけに納得した表情になっていた。



 バンデッド王は「だがまあ、一応我が国の領内だ。共同研究という形で監視はさせてもらうし、そこから得た知識はこちらも活用させてもらうがな」という条件を出してきた。



 この辺りが妥当な落とし所だろう。



 俺は「もちろん構いません」と共同研究という条件を飲んで、知恵の間を手に入れたのだった。

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