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「×◯◯、▲■○×▲、■◆◆」
玉座に座るバンデット王は、良く通るバリトンボイスで「遠路はるばるよく来た」というようなことをドーリア語で言った。(と思われる)
俺は通訳にドーリア語をる解するハインリッヒを立たせ、拙いランカスタ語とジェスチャーで王とコミュニケーションを図ることにした。
たわいも無い雑談を交わしていると、兎にも角にも酒だということになった。
ドーリアは酒好きだというのは本当のようだな。
執事やメイドたちが、王と俺が雑談をしている間に物凄い手際の良さで、足跡の宴会場を作っていった。
そして山人の秘酒「火酒」で乾杯することになった。
執事さんのおすすめで、小さめなワンショットグラスに火竜を象ったボトルの酒がなみなみと注がれていく。
名前とボトルの見た目からして相当アルコール度数が高いとみた。
王の乾杯の音頭でぐいっと一気にいく。
くぅ。
喉が焼け、体が一気に熱くなる。確かにこりゃ火酒。
気つけにも使えそう。
山人たちは火酒に慣れてるみたいだが、こちらの陣営はむせて咳をする者多数。
マルゴを見ると、まるで美女に見惚れたかのようなトロンとした目つきで火酒のボトルを眺めていた。
在庫を譲ってもらえるよう、あとで頼んでみよう。
まあ飲んだくれてても仕方がない。仕事をするとしよう。
俺はバンデッド王に今回のために書いた手紙を取り出し、例の件を聞いて見ることにしたのだった。




