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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 豪邸に戻り寝室で横になると世界がグルグル回っていた。



 こりゃ商社マン失格だ。この酒そんなに度数高かったかな。


 俺はラフィットさんから寝酒にどうぞと渡されたパープルヘイズのボトルを鑑定してみた。



 おうふ、なるほど。まあこっちじゃこれが普通なのかも。


 まあ一応アルコールは薬物で毒にもなるので、ムレーヌ解毒草のスープが効いた。


 きっとこのへべれけ状態も解毒ポーションで解毒できるのだろう。



 俺はパルナ解毒ポーションのビンを掴んで一気に飲み干したが、一向に眩暈が治る気配がなかった。


 今後に響くとまずいので、俺は虎の子の霊薬エリクシスを少量飲み、深い眠りについたのだった。



 ……



 朝軽く頭が変な感じがしたが、そこまでキツくはなかった。解毒ポーションと霊薬エリクシスがちゃんと効いたようだ。



 今日俺たちはラフィットさんにサルナンの町の案内をしてもらうことになっている。


 飲みすぎで体調不良を訴えている者が続出していたので、同じように解毒ポーションを飲ませて休ませることにした。町の視察にすぎないのだから、そんなに大人数で行く必要もないだろう。



 俺はラフィットさんに綺麗な部分だけではなくスラム街の様子も見せてほしいと言ってあった。


 悪い感情が溜まりやすい場所には瘴気が溜まる。


 そういった場所を浄化することが、長い目で見て敵対する奴らの目論みを潰すことになると思っている。



 ラフィットさんが案内してくれたスラム街は、レスタがそうであったように町の中心街から一番離れた場所にあった。



 そこは以前レスタの町で見たよりも酷い有様だった。漂う異臭、やせ細り暗い目をした子供たち。



 俺はスラム街の現状を見て、ラフィットさんに聖域効果のある神像を置かせてくれないかと聞いた。


 だが答えはノーだった。


 彼は、スラム街を何とかしたいと思っているのは同じだけど、スキルや魔法の力には頼りたくない。商売の力でなんとかしたいと思っていると言った。


 実際に彼らに自分で行動し、稼ぐ力を身に着けてもらいたい。そのために彼らを救う手立ては自分なりに考えていると言った。


 俺は大商人らしい考え方だなと思った。



 そこまで言われて横から口を出すのは余計なお世話でしかないだろう。


 俺は彼に自分の街で取り入れたベーシックインカムなどの事例を紹介しつつ、それ以上の口出しは慎むことにしたのだった。

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