k-385
前に出過ぎてしまった戦士のヒジンさんがパニックワームのブレスをもろにくらい、思い切り吸い込んでしまった。
その数秒後。
「イヒ、イヒヒヒヒヒひひいいいーー!!」
ラリった目をしたヒジンさんが、ヨダレを垂らして発狂しながら剣を振り回し始めた。
アレを吸ってはいけないと、その場にいた全員が等しく認識したのだった。
錯乱したヒジンさんをエサと認識したパニックワームが、牙だらけの口を大きく開けて突進。
「危ない!」
俺はヒジンさんに体当たりし、何とか避ける。
俺に吹っ飛ばされたヒジンさんは、馬車に並走してきたブルーウルフに襟を引きずられてホワイトさんたちのところまで後退していった。
肩透かしを食らったパニックワームが鎌首をもたげ、キシャシャシャシャと耳障りな音を立て始めた。
すると、俺たちの背後にパーニックワームがさらに二体出現。どうやら仲間呼びの音だったようだ。
挟まれた。陣形を立て直さないとまずい。
「ターニャ、アッシュ、ジュノ、マルゴ、は後ろ2体、ハインリッヒ、ホワイトさんたちと俺で前の1体、ブルーウルフたちは前後でバラけて。ユリナさんは後ろからスリングショットで援護して!」
俺は名前とジェスチャーで作戦を指示。全員「応!」の掛け声で配置についた。
さあ、戦闘開始だ。




