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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-378

 砂漠の大商隊キャラバンを率いていたのはトラキア商業国家連邦の大商人で代表国家元首のラフィット氏という人物だった。



 サラサとアイリスは大きなビジネスチャンスの匂いに鼻の穴を大いに膨らませていた。



 ラフィット氏は褐色の肌にターバンと煌びやかな宝石を身に着けた美丈夫だった。美女たちに囲まれて爽やかな笑顔を振りまいている。


 眩しすぎて目がムス◯大佐になりそうだ。さながら砂漠のオアシスで美女とたわむれるシンドバットのようだ。



「ケイゴ、こちらがトラキア商業国家連邦の代表国家元首ラフィット様だ」と言うハインリッヒ。



 俺は思わず深々とお辞儀をしてから、そういえば俺も領主だったと気がついた。


 ハインリッヒの横には菩薩のような微笑みをたたえたライラさん。仲が良さそうで何よりだ。



「本日はお越しいただきありがとうございます。お初にお目にかかります。私はここボーラシュ平野一帯の統治を任されておりますケイゴオクダと申します」


 と、ラフィット氏に対し一生懸命練習したランカスタ語の定型文を口にする俺。


 ちゃんと言えている自信はない。でも何とか伝わってくれたのか、



「初めましてケイゴ! そう畏まらずに僕のことはラフィットと呼んでくれたまえ!」とラフィット氏。



 なんか商社マン時代に付き合いのあった陽気なオーストラリア人を思い出した。



 俺はゴージャススマイルに圧倒されながら「ラフィット、ヨロシク」と彼が差し出してきた手を握り返したのだった。



「では皆さんが泊る宿に案内しますね」



 それから俺はラフィット氏を宿に案内することにした。その途中兵士の訓練場を通りかかり、



「おお! あの装備素晴らしいです。是非欲しいですね!」


「すみません……、売り物ではないんですよ」


「何と! それは残念」



 的な会話をジェスチャー混じりでかわしあう。商社マン的スキルフル活用である。



 そしてラフィット氏はさすが大商人と言うべきか。



 兵士が装備しているモンスター素材の武器防具が欲しがった。



 だがこの世界では強い武器防具は兵器であり、簡単に渡していいもんじゃない。



「まだまだ良い商品がありますから。期待してください」とやんわりと。



 ラフィット氏は、



「おー残念だね! でもそっちも楽しみにしているよ!!」



 と八重歯を光らせてゴージャススマイルを浮かべたのだった。





 その後サラサ、アイリスにそれぞれ取り扱っている商品の説明を受けたラフィット氏は商品を大量購入。



 ラフィット氏の方は魔力を帯びた特殊なシルクを扱っており、持ってきた在庫を全て買い取ることにした。ユリナさんが喜びそうだ。



 ラフィット氏とは、今後も継続的に陸路での交易を行うという内容の契約を結んだのだった。



 さらに開発中のサンチェス港の話をしたところ、船舶貿易はもちろん漁港の開発を手伝いたいと申し出てくれて。



 サンチェスに駐在所と商館を作り、船舶を何隻か、他にもプロジェクトがあレバ資本を出すと言ってくれたのだった。




 それからラフィット氏は一週間ほど滞在し、モンスター闘技場やらカジノやら劇場やらを堪能してもらった。


 彼は観戦するだけじゃなく、実際にモンスターテイムをしてみたいと所望した。


 大切な取引相手を邪険にするわけにはいかなかったので、ホワイトさんに協力してもらって基本的なハトモンスターのテイム方法を教えてあげた。(もちろん魔竜晶でのレベルアップなどは企業秘密)


 モンスターテイマーをお金で雇うことはギルドで自由にできると教えてあげると、駆け出したのテイマーをお金にものを言わせて雇ったようだった。



 彼はマハラジャのごとくお金を湯水のように使い帰っていったのだった。

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