k-372
爆弾テロを起こしたレジーナは軍の情報部に連行されていった。
魔王とやらの仕業なのか、はたまた嫉妬した貴族の仕業か。
情報部の調査結果待ちとなった。
ヘルボマーの爆発で爆炎と共に噴き出した瘴気は浄化スキルで浄化したので、とりあえず観客への被害はなかった。
あの爆炎でも障壁の魔道具は無事だったので、耐久力テストができたのは怪我の功名か。
ヘルボマーは冒険者ギルドで登録されたものではなく、直前に入れ替えられたものだったようだ。
闘技場に登る前のゲートで登録にあるモンスターかどうかの最終チェックを徹底させ、対策することにしたのだった。
幸い観客も荒々しいバトルを楽しみに来ているので、演出だと勘違いしたのかさしたる混乱はなかった。
モンスター闘技場の初日はヘルボマーの一件以外、特段のハプニングもなく終了したのだった。
◆
夜は夜で、ナイトパレード、花火、カジノ、温泉&料理が楽しめる。
俺はマルゴ、ジュノを引き連れカジノへGO。自分がプロデュースしたカジノをチェックするというのが目的だ。
ギャンブル嫌いな女性陣は露天風呂で温泉&花火&料理を堪能するそうだ。もちろんカジノは未成年NGなので、ターニャとアッシュは女性陣と一緒だ。
カジノの中に入ると、きわどいピチピチの服を着たバニーガールがウェルカムドリンクを配布していた。
マルゴの目がバニーガールの胸元に吸い寄せられていたけど、俺は見なかったことにした。
カジノで遊べるゲームは、ポーカー、ルーレット、バカラといった伝統的なもののほか、リバーシやダーツなんてものもある。
ただお金が儲かるだけじゃつまらないと思った俺は、景品も充実させた。俺が開発した魔道具に希少性の高いシャンパン。中でも一番の目玉はベヒーモス装備だ。
ベヒーモスソードはコイン50000枚と交換みたいな感じで、余程のことがない限り手に入らないような金額設定にして交換レート表と一緒にショーケースに飾った。
ゴージャスな輝きを放つベヒーモスソードはバニーガールの胸元同様、観客たちの欲望に満ちた目を引き寄せていた。
バニーガールとお酒とギャンブルを目の前にして欲望むき出しの血走った目になったマルゴは、バカラのテーブルに腕捲りをして向かっていった。
ジュノと目を合わせた俺は、「いざとなったら力づくで止めよう」と無言のアイコンタクトを交わしたのだった。




