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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-367

 完成した熊牧場、そしてターニャたちが毎日訓練で使っている訓練場を見て俺は思った。



 モンスター闘技場を作ってバトルさせたら面白いかも! と。


 もちろんデスマッチではなく、ルールを設けての対戦にして、勝敗を公営の賭け事にする。


 野良モンスターだとルールを守らない恐れがあるため、原則テイミングモンスター同士のバトルとする。


 闘技場周りにはエルザ監修のホテルや、トクジュウさんらうちのシェフに監修させたレストランを完備。


 温泉なんかも掘っちゃったりして。



 娯楽をとことん追求したい俺の中で、むくむくと湧き起こる構想をサラサとアイリスに話したら「全面的に協力させてもらうわ(にゃ)」とのことだった。プロジェクトを株式会社化し、各方面から投資を募ると息巻いていたよ。



 これでお金はどうにかなりそうだ。



 そこで俺はレスタにいる設計士のテイラーさんにブラードさん経由で新たに闘技場の設計を依頼することにした。


 できるだけエンタメ要素を強くしたいので、施設のデザインもTDLとかUSJみたいな楽しそうに見えるものがいい。


 “子狼の前かけ” をプロデュースしてくれたテイラーさんならまず間違いないだろう。



 こういう楽しげな話を始めると、祭りだ! とばかりに町の連中も盛り上がり始めるもの。


 兵士や冒険者のモンスターテイマーたちはファイトマネー目当てに、モンスターの訓練に熱が入った。


 飲食店の連中は施設に何の料理や酒を出そうかと頭を悩ましていた。


 劇場酒場に行けば、ああでもないこうでもないと要望・議論が飛び交い、俺の耳に入ってくる。


 ◯◯のモンスターにかければ間違いない! いやいやあのテイマーも負けてない! みたいな白熱した議論も飛び交い始めた。


 熊牧場や訓練場にいるテイマーが戦闘訓練をする様子を視察する者まで出ているようで、下馬評情報の売買が盛んに行われている。



 確かに純粋なモンスターの力だけではなく、戦闘結果にはテイマー自身の力量も大きく影響するだろうから、賭け事としての奥深さはかなりのものがありそうだ。



 モンスター闘技場の話が出てから、町の人が明らかに熱狂していた。まるで日本でワールドカップが開かれるぞ! くらいの勢いを感じた。

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