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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 なぜだろう。


 前の自分なら濃ゆいメンバーとの濃ゆいやりとりなんてノーサンキューだったろうに、今はなぜかそんな喧騒けんそうの中心にいることが心地よかったりするのが不思議だ。



 そんな俺の疑問などまるで見透かしたかのように。


 ゲルニカ陛下、バイエルン様、アルペンドレ男爵といつの間にか射止めたらしいローズさん、レスタの門衛のおっちゃん、冒険者ギルドのダンとカイ先生。


 次から次へと見知った人たちが声をかけてきた。


 表現はまちまちだったけど、この場にいる全員が祝福の言葉のシャワーを浴びせかけてくれた。



 ◆



 俺は今まで言葉なんかろくなもんじゃないと思っていた。


 SNSや匿名掲示板では誹謗中傷の雨霰あめあられ


 そんな一見くだらない瑣末さまつなやりとりに思えることが、集団リンチのような現象を引き起こし自殺する人まで出てしまった。


 なんで人は人に対して「死ね」「殺す」だのと罵詈雑言ばりぞうごんを吐けるのか、俺には全く理解できずに傷ついてばかりいた。



 商社マン時代だって同じこと。


 会社員と呼ばれる人種は、嘘と誤魔化しで塗り固められた口上で上司の凡庸ぼんよう陳腐ちんぷ虚栄心きょえいしんを満たし、自身の出世あるいは保身に走る姿ばかりが目についた。


 飲み会に行けば仕事の愚痴や不幸の自慢大会ばかりが目立っていた。



 最近の学校のいじめのエグさは周知の事実だと思うけど、よくよく考えればそれら加害者どもがそのまま社会に出るのだ。


 閉鎖的で人間関係があまり変わらない社内という条件下だと、学校のいじめと似た状況が発生するのはむしろ当然のことなのかもしれない。



 まあ、そんな諸々もあって。


 俺は人間を諦め、希望を忘れるしかなかった。


 だから俺は、人間とは極力付き合うべきではないと思うようになったんだ。

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