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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 俺は結婚式の準備をする傍ら、今までできなかった領主の仕事に追われていた。



 自分が運営している会社(料理店、食品加工会社、酒造会社)の報告を受けたり、さらには陛下から頂いたお金や増えた税収で新事業の企画立案、ターニャたちの育成、それに伴う在庫がなくなってきた魔竜晶の補充。



 さらには、王族書庫ロイヤルアーカイブで調べた鍛治や錬金絡みの試行錯誤。



 こちらでも作った “子狼の里” に並行する形で立ち上げた学校事業。



 またモンスター襲来に加え隣国との戦争がある以上、軍事面もいざという時のために強化しておく必要があるだろう。




 食品会社ではバトルブルの牧畜化に成功し、黒毛和牛も真っ青の良質な肉が安定して生産できるようになった。


 酒造会社ではベルギー産にも引けを取らないチェリービール、口当たりの柔らかな大吟醸ができた。飲んだ瞬間、ウニ料理と一緒にやれば流行るだろうと確信するほどの美味さだった。


 これは是非とも結婚式に出すことにしよう。



 残念ながら “子狼の里” はこの町でも必要なものなのは変わらなかった。人にはさまざまな事情があるから仕方がないんだと思う。


 だけど町の役割は、それをどうやってケアしていくのかを考えることだ。


 なので俺の町では全ての子供に等しく商業ギルドカードを作り、ベーシックインカム制度によって毎月銀貨1枚が振り込まれるようにした。


 里で生活すれば基本的にお金はかからないし、カードに貯まったお金は将来独り立ちする時に役立つ。


 併設する学校では基本的に読み書きと計算を習うことができるので、どんな職業につくにせよ役立つ武器を与えていると思う。また、先日陛下から頂いた金貨を20万枚ほど使い図書館も作ったので学べる環境は用意した。



 ターニャ、アッシュ、シエラさん、テイムモンスターたちの訓練もしっかり行っている。最近ではシエラさんとモンスターテイミングに詳しいホワイトさんに最近ではサポートしてもらっている。



 魔竜晶の補充は大滝のダンジョンでビードラの魔獣竜の咆哮と、グラシエスノヴァを衝突、爆発させることで生産することができた。なんたる錬金術。


 それをテイムモンスターに食わせることで魂魄レベルを上げることができるのだから、ホワイトさんが言う通りモンスターテイマー的には「世紀の大発見」と言うことになるのだろう。



 そして結婚式の日取りが近づいてきた頃、気がつけばイトシノユリナの人口は3万人を突破。ヴォルフザーン子爵領全体での人口は4万人を突破したのだった。

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