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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-346

 俺とユリナさんのためにあてがわれた王城の一室にて。


 ユリナさんのほっぺたが盛大に膨れていた。背後には超高温の青い炎のゆらめきが見えていた。



 なんか前にもこんなことあったな……。



 もちろんロイヤルお茶会を俺がOKしたこと、そのことで多大なる緊張を強いたことについて、彼女は不満の意を示しているということになるのだと思われるのだが。



 もちろんこうなることはわかっていた。でも、あの場ではああするしかなかったんだよ。



 そう言い返すこともできるけど、それこそ火に油だ。ケンカがどんどんエスカレートして関係修復不可能に。最終的にはさようなら、なんてのは珍しいことでもなんでもない。



 なので彼女が激オコのときは、基本男がまず土下座でもして謝り倒すべきだと思うことにしている。



 ここはまあ、あんまり謝罪一辺倒にな理すぎると上手くないので、若干のバランス調整が必要だろう。



 そうだな、今回は最初に褒めてから謝罪というプランCでいこう。



 とりあえず俺はジャブで「ユリナさんは世界一美人だよ!」と言うと、ユリナさんのほっぺたがちょっとだけ縮小。背後の炎のゆらめきも小さく。


 続いて「ユリナさんはイザベラ王妃に並ぶ美女だよ!」と言うと、ユリナさんのほっぺたがさらに縮小し、炎の色も青から不完全燃焼の色に。


 とどめに「さっきはゴメンよ。もうこんなことがないように気をつけるね」と言うと、ユリナさんのほっぺたは完全に元通りとなり鎮火。


 ユリナさんは、「ワタシモナレナキャイケナイワネ」と言い許してくれたのだった。



 すると、タイミングを見計らったかのように部屋のドアがノックされ、執事さんが咳払いをしつつ入ってきた。


 パーティの準備ができたそうで、どうやら俺とユリナさんの痴話喧嘩が終わるのを部屋の外で待っていたっぽかった。



 最終的に良い雰囲気になっていた俺とユリナさんはその瞬間身体を離し、なんでもなかった風を装うことにしたのだった。

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