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俺は、ターニャ、アッシュ、シエラさん、ジュノ、マルゴ、ホワイトさん、ゴッズさん、ミズチさん他、腕利きの兵士数十名を引き連れ、ハン先生を取り囲んだ。
俺は念のためテイムホテルからツッチーを呼び出し、いざという時に鉄壁でガードしてもらうことに。
そして事前に打ち合わせた通り、ジュノにハン先生に証拠を突きつけ「観念しろ」と言ってもらった。
すると、ハン先生の姿をした何者かは歪んだ笑みを浮かべ高笑いをした。
そしてハン先生の姿形は次第にぼやけていき、真実の姿を現した。俺は鑑定を発動。
【ヴァーリ:邪神の加護を受けた魔人。保有スキル:邪血太陽、指弾、掌烈波。保有魔法:浮遊、擬態、影分身。体力4116(-1372)、魔力4312(-1437)、気力4242(-1414)、力3987(-1329)、知能4214(-1404)、器用さ3928(-1309)、素早さ4169(-1389)】
目の前にまるでこの世の人ならざる堕天使のような、黒く大きな双翼に中世的な美貌の怪物が現れた。
敵スパイの正体は魔人だということが判明した。
ヴァーリという魔人は、ランカスタ語で何か呪詛めいたことを言っているようだった。
話している間に、できるところまで鑑定を重ねがけしてみると、ステータスのマイナス表示は深手の傷を負っていることによるものだということがわかった。
ヴァーリに傷を負わせたのは、おそらくハン先生なのではないかと思う。
邪血太陽という技が一番の大技らしく、毒や呪いといった状態異常付与効果があるようだ。
できれば使われる前に倒したい。
「全員、ヴァーリを討ち取れ!」
俺がそう叫んだ瞬間、ヴァーリは指弾を全方位に撃ち牽制、盾を構えていた兵士たちが吹き飛び、俺、ターニャ、アッシュへの攻撃はツッチーの鉄壁が阻んだ。
次の瞬間、アッシュが神獣咆哮を放ち、同時にターニャが宝剣デルムンドを抜いてヴァーリに次元異相切断を放った。
ターニャのスキルによって凄まじい音とともに空間にひび割れが発生。
ヴァーリは切断された。やったか。
しかしターニャが切ったのは、ヴァーリが影分身で創り出した分身にすぎなかった。
本体は浮遊で上空に逃げていた。
そしてヴァーリは、影分身を使い分身を増やし始めたのだった。




