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表準子爵軍に突撃を始めた敵。
その背後に息を殺しながら俺たち裏準子爵軍が襲いかかった。
それを読んでいたホワイトさんら表準子爵軍は反転攻勢。
戦線が伸びきって寡兵だと見せかけておいて、実は林の影に複数兵士を潜ませておいた。それらの兵士が狼煙を見つけ続々と集まり、気が付けばまとまりのある軍隊として機能していた。
裏準子爵軍も負けてはいない。
ユリナさんが遠くから暗殺者や不死召喚士に向けて麻痺弾をスリングショットで撃ち起爆させ行動不能に。
ターニャは聖属性魔法ホーリーと風属性魔法を掛け合わせ、ホーリートルネードカッターなる聖なる刃で切り裂く竜巻を発生させ、不死生物も生きている生物もろとも昇天させている。
俺も負けてはいられない。
俺はビードラ、ツッチー、マペットを亜空間から召喚した。
ツッチーに鉄壁で俺のガードをさせつつ、銀弾で敵アンデッドモンスターを昇天。(ヴァンパイアは銀に弱いというが他のアンデッドモンスターも同様のようだ)
ビードラにはこちらのメイン火力として最前線に立ってもらい、暴れに暴れまわってもらった。
マペットも負けてはいなく、そのスピードと樹木魔法を駆使して素早いはずの暗殺者の動きを完全に封じていた。
俺も援護射撃とばかりにグラシエスノヴァやベヒーモスソードの砲撃。竜神の聖光、竜神の聖域による対アンデッドスキルによる攻撃と防御を行った。
シエラさん、ゴッズさん、ミズチさん、ヒジンさん。その他元男爵軍で活躍していた兵士たちが獅子奮迅の活躍を見せた。
こうして、敵の奇襲部隊は逆に挟撃を受けた形となり瓦解。敵モンスターは全て葬り、戦闘不能になった敵の人間は捕らえて捕虜にした。
バラン砦に入場した先頭の方も大丈夫のようだ。
予めシルフィード参謀長が情報を握っていたのだから不意打ちにすらなっておらず、当然の結果だろう。
敵が挟撃するタイミングまで狼煙でバッチリ把握していたからな。
こうして敵軍の挟撃作戦は失敗に終わり、俺たちランカスタ王国軍は北の国境沿いにある要衝バラン砦を奪還することに成功したのだった。




