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俺はサラサのアクションプランに、もう一つ条件をつけ足すことにした。
それは、ターニャとアッシュのことはここにいるメンツ以外口外無用にすることだ。
敵がいるなら、未熟な今が一番危ないと思うから。
それから従魔契約の準備を進めていたホワイトさんは、紙にブルーに淡く光るインクで狼のような形をした魔法陣を描いた。
「アッシュ、お座り」
シュタ
俺はその紙の上にアッシュをお座りさせ、ターニャの指から注射器でちょっとだけ血液を採って魔法陣にポタリ垂らす。
それからターニャは、ホワイトさんの口調を真似て契約の呪文を唱えた。
すると、魔法陣からインクが浮き上がりアッシュに吸い込まれたかと思うと、インクと同じ色の光線がアッシュのオデコとターニャのオデコをつなげ……。
急にターニャとアッシュからオーラのようなものが吹きあがった。
風圧のようなものまであり、立っていられないほど。建物が倒壊しないか心配だ。
二人の頭には例の模様が浮かび上がっていたが、しばらくすると大放出されていたオーラや風圧と一緒に収まったのだった。
では改めて。
「鑑定」
【ターニャLv1:神竜の加護を受けた覚醒勇者。保有スキル、グラシエスノヴァLv1、グラシエスシールドLv1。加護:神竜グラシエスの加護。称号:勇者。体力308、魔力312、気力321、力314、知能321、器用さ336、素早さ341。契約従魔:アッシュ(神獣フェンリル)】
【アッシュ(Lv2、魂魄Lv2、種族フェンリル):勇者と契約した神獣フェンリル。保有スキル、神獣爪斬Lv1、神獣牙突Lv1、神獣咆哮Lv1、悪意感知Lv2、テイムホテルLv1。体力214、魔力243、気力231、力213、知能221、器用さ242、素早さ219。契約者:ターニャ】
どうやら無事に契約と覚醒が完了したようだ。
ターニャが【グラシエスノヴァ】の他に【グラシエスシールド】なるスキルを獲得。
グラシエスシールドは防御スキルかな?
アッシュは【ひっかく】【かみつく】【ほえる】の代わりに【神獣爪斬】【神獣牙突】【神獣咆哮】を獲得。
従魔契約のおかげかテイムホテルも覚えていたよ。
アッシュの攻撃三種は、前にあったものの名前を言い換えただけな気がしないでもない。
みんなに鑑定結果を書き写して見せたら、歓声が沸き起こったのだった。




