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残りのメンツが来たことで女性陣包囲網が崩れた。今がチャンスだ。
俺はすかさずトクジュウさんを呼び、全員にウェルカムドリンクを配布。さっそくメアリーさんにも手伝ってもらった。
酒で全てをうやむやにしようと思ったら、サラサが「誤魔化されないわよ!」と久しぶりに鬼軍曹の目になっていた。
だがみんなが思い思いに乾杯を始めたので、真面目な話はまた今度ということで許してもらえた。
俺はさらにうやむやにすべく、ニューウエポン(ホタルイカ沖漬け)を投入。
思惑通り、全員が目をひん剥いて食べていたよ。
隠れ家の近くに流れる小川でクリスオルネ(異世界版ホタルイカ)が天の川みたいにキラキラ光っていて綺麗だった。
カップルメンツがそれを見ながらスパークリングワインで乾杯し、「ロマンチックね……」みたいな感じでいい雰囲気になっていた。
よし、ここはひとつ俺が雰囲気に華を添えてやろう。トクジュウさんの料理スキル「食材分離」も借りて。
トクジュウさんによると「食材分離」は、使用者が食材と認識する両掌に納まる大きさの食材から寄生虫や雑菌を外に分離するスキルだそうで。(ホタルイカはもちろんこのサイズに納まるし、既に沖漬けを食べていて食材の認識もある)
俺は網でクリスオルネを数匹捕まえるとトクジュウさんに「食材分離」をかけてもらい、醤油と生姜で踊り食いにしてみんなに食べてもらった。
するとそれまでロマンチックな雰囲気だったカップルメンツも、踊り食いのあまりの美味さに目をひん剥き、鼻息荒く俺から網を奪い取り小川へ突撃していってしまった。
雰囲気に華を添えるどころかぶち壊してしまい、なんだか申し訳ない気持ちになった俺であった。
そんな感じで大自然の綺麗な空気と景色を堪能しながら絶品料理を楽しんでいると、ホワイトさんが昼間にあったことで俺に話しかけてきたのだった。




