k-286
【ビードラ(Lv1、魂魄Lv2):半獣半竜モンスター、魔獣竜ベヒーモスの子供。保有スキル、テイムホテルLv1、魔獣竜の息吹(未開放)、魔獣竜の魔眼(未開放)、魔獣竜のオーラ(未開放)。体力26、魔力20、気力24、力25、知能21、器用さ15、素早さ17。契約者:奥田圭吾】
「あれ?」
なんで魂魄レベルが上がってるんだろ。テイムホテルLv1もいつの間にか覚えているし。
鑑定結果を書いた紙を見たホワイトさんは手をワナワナ震わせながら「バカナ!」と叫んだ。
魂魄レベルは、ベヒーモス(成体)の魔核を特殊な儀式でいくつも吸収させてようやく上がるということになっているのだから当然の反応だろう。
興奮したホワイトさんは、俺の襟をつかんでグイングインしながら「××〇〇△~!!」と叫びはじめた。
耳がキーンとするし、唾が飛んでますよ。それに襟が伸びるんでやめてください。
あと俺、一応貴族ってことになってるみたいですよ。
頭の中でシェイクでブギーな歌がしばらく流れた後、ようやく手を放してくれたホワイトさん。
彼をどうどうと宥めつつ、魂魄レベルアップの原因を考えてみることにした。
魂魄レベル……。魔核、魔核……。モンスターのエネルギー……。
「ひょっとして……」
チラとショイコの中を見ると、底の方に粉々に砕け散った魔竜晶があった。
ビードラとアッシュが魔竜晶の置物を偉く気に入ってペロペロしていたと思ったら、まさか食べていた!?
お腹壊さないかちょっと心配になってきたよ……。
アッシュとビードラを抱っこしてお腹を撫でてみたけど、気持ちよさそうに喉を鳴らしていたので心配なさそう。
一先ず安心。
俺はショイコの底から魔竜晶のカケラを拾い、「これ食べちゃったみたいなんですけど大丈夫ですかね……?」とホワイトさんに白状した。
(何食べさせたんだ!! と怒られそうだ……)
するとホワイトさんは再び目をひん剥き、俺の襟をグイングインしながら「××!! ●●▽!!!」と叫びはじめた。
(ですよね~)
ところが、どうやらホワイトさんは怒っているのではなく、興奮のあまり喜んでいるっぽかった。
「世紀の大発見でずそ!?」的なことを言っている雰囲気というか。
何を言っているのかわからないので襟グインが落ち着くのを待ってから、ようやく筆談形式に移行したのだった。




