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次の日、俺はビードラの育て方を聞きにホワイトさんの兵舎を訪ねることにした。
兵舎の門番にホワイトさんの居場所を聞き厩舎に行ってみると、ホワイトさんは丁度使役しているハトのモンスター『クルルボ』の世話をしていた。
俺はショイコに入れて運んできたビードラとアッシュを地面に放すと、ホワイトさんに声をかけて近寄ったのだった。
ホワイトさんは複数のクルルボを使って伝書鳩通信兵の役割もこなしているそうで。
伝書鳩があるのは知っていたけど、テイムモンスターだとは思わなかった。
ホワイトさんはビードラが無事に孵化したことに興奮し、ビードラに頬ずりしようと追いかけまわしはじめた。
ホワイトさん……、また阿波踊りを踊るハメになりますよ?
俺はほどほどのところでホワイトさんをビードラからひっぺがし、モンスターテイムの技について教えてもらうことにした。
ホワイトさんはハトモンスターを使ってわかりやすく教えてくれた。
まずモンスターテイムの技と言ってもモンスターの種類によってまちまちで、食べるエサも出来ることも全然違うのだそう。
ハトモンスターは戦闘には向かないが、飛んで手紙のような軽いものを運ぶことができる。
逆にビードラのような強いモンスターは敵と戦わせると滅茶苦茶役立つみたいなことだ。
ビードラのエサは犬にネギ食わせちゃダメみたいなNGのようなものはないそうで、鑑定で明らかにわかる毒以外なら基本食べさせても大丈夫とのこと。(ホタルイカとかも大丈夫だったぽい)
ちなみにハトモンスターは乾燥穀物の他、ミミズや昆虫を食べるらしい。
それから気になっていた本題の亜空間からハトを取り出している技の話になったんだけど、それはモンスターテイマーの固有スキル “テイムホテル” というものらしい。
モンスターを成長させるには普通にエサを食べさせ運動や戦闘といった訓練をさせれば、通常のモンスターと同じようにレベルが上がり体格もよくなる。
ただしそれで “テイムホテル” を使えるようになるというものではなく、それには同種類モンスターの “魔核” をテイムモンスターに吸収させる必要があるそう。
そして、丁度クルルボの魔核があるとのことで、それを実演してくれることになった。
ホワイトさんは、例の契約に使った特殊なインクで鳥っぽい魔法陣を描くとクルルボを魔法陣の上に乗せ、何かを唱え魔核をクルルボの体に当てた。
すると魔核がクルルボの中に消えるように入っていったのだった。
この儀式を続けることで通常のレベルアップとは別の “魂魄レベル” が上がるらしい。
ハトを鑑定してみると、
【クルルボ(Lv7、魂魄Lv3):鳥型モンスター。戦闘力はほとんどないが飛行スピード・継続力は高く、伝書用にテイムモンスターとして最もスタンダードなモンスター。保有スキル、飛行Lv4、帰巣本能Lv3、テイムホテルLv2。体力23、魔力11、気力15、力13、知能22、器用さ17、素早さ37。契約者】
と出た。
魂魄Lv3とあるのがそれで、魂魄レベルが1あがるごとにテイムホテルのレベルも上がったのだそう。テイムホテルのレベルが1から2に上がると中に入れられるエサの体積とかが増えただとかなんとか。
魂魄レベルというのは普通のレベルよりも高次元の概念で、存在の格みたいなことだそうで、例えば同じ種類のモンスターでも進化することがあるのはこれが関係しているんじゃないかというのがモンスターテイマーの間では通説になっていて……、と長々とウンチクを教えてくれた。
その後、ホワイトさんが試しにビードラを鑑定してみろと言うので試しに鑑定してみたら驚くべき結果が出たのだった。




