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『個体名:奥田圭吾はレベル27になりました。体力62→64、魔力61→63、気力58→60、力63→67、知能103→104、器用さ70→72、素早さ64→65』
『個体名:奥田圭吾はレベル28になりました。体力64→67、魔力63→65、気力60→63、力67→70、知能104→107、器用さ72→75、素早さ65→68。クラシエスノヴァLv3を取得しました』
レベルアップの告知が目の前にポップアップした。
それは、魔獣竜ベヒーモスを倒したことの合図でもあった。
他のパーティメンバーを見るとポップアップ画面を見入っているので、同じくレベルアップしたようだ。
ポーションを飲んでステータスを回復させつつ、辺りを見るとホワイトさんが阿波踊り、ヒジンさんがトリプルアクセルのポーズをしたまま石像になっていた。
兵士は領民のために命を張る覚悟はできているとはいえ、このままでは彼らが可哀そうだ。
石化を治すパルナ解毒ポーションがあるくらいなのだから、きっと彼らを元に戻す方法もあるはずで。
戻ったらキシュウ先生に聞いてみよう。(キシュウ先生も第三陣でこちらに来ている)
それから俺は動けるメンバーと一緒に石化した二人を壁際に寄せ、辺りに行方不明になっている斥候部隊の痕跡がないか軽く調べることにした。
いずれにしても今回二人が戦闘不能になっているので、これで行方不明の5人が見つからなければ出直すしかない。
そんなことを考えつつベヒーモスの出現した辺りを見回っていると、奥まった場所にベヒーモスの巣らしき場所を見つけた。
干し草の中を見ると☆マークに紫ラメ加工が施された、ド派手なロックスター風の卵が一つあった。
卵を鑑定してみると、
【魔獣竜ベヒーモスの卵:魔獣竜ベヒーモスの卵】
と出た。
さらに奥には行方不明になっていた斥候部隊と思われる石像が5体、ホワイトさんたち同様感情豊かな表情をしながら “何とかレンジャー” みたいな戦隊もののポーズをとっていた。
なんだろう。
赤ちゃんベヒーモスのオモチャのつもりで石像を置いているように見えなくもない。
卵の鑑定結果を紙に書き写しヒーラーのミズチさんに見せると、モンスターを使役する調教師たちに高く売れるかもしれないとのことだったので持ち帰ることにした。
行方不明になった部下を発見した俺たちは一先ず人を呼び、石像となった部下と狩ったベヒーモスを町に持ち帰ることにしたのだった。




