表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

352/617

k-276

 滝に近づくとジュノの部下5人が野営しつつ、ダンジョンの入口を見張っていた。



 彼らはいずれもレベル20を超える元ベテラン冒険者だ。


 行方不明になっている斥候隊5名は出現場所から考えて、十中八九、例の巨大モンスターと遭遇したのだろうとのことだった。



 なので、まずはそのモンスターを討伐し、それから辺りを調べようということになった。



 作戦は開幕俺がグラシエスノヴァで遠くから攻撃し、他のメンバーと連携して敵の注意を引き付ける。


 その隙に、風魔法 “気配遮断ハイディング” が使える斥候スカウト職の元女冒険者ココリさんがゾディアック毒のビンを巨大モンスターの口に投げ込むというもの。


 毒のビンは30センチくらいの丸みを帯びたガラスでできており、モンスターの歯にあたれば割れる。



 その他のメンバーはジュノと同じファイタータイプのヒジンさん、タンクタイプのゴッズさん、ウィザードタイプのホワイトさん、ヒーラー支援タイプのミズチさんとパーティバランスもバッチリ。



 これならよほどのことがない限りきっと大丈夫だろう。




「さあ、狩の時間だ!」



 そう意気揚々とダンジョンに入ったのだが、その “よほどのこと” が起こった。



【魔獣竜ベヒーモス(Lv32):巨大な半獣半竜モンスター。どんな高レベル冒険者であったとしてもその威容を見たらすぐに逃げるべきだ。死にたくないのなら……。保有スキル、魔獣竜の息吹Lv7、魔獣竜の魔眼Lv8、魔獣竜のオーラLv7。体力1523、魔力1282、気力1134、力1421、知能1321、器用さ1198、素早さ967】



 広大な地下空洞の中を悠然と歩くベヒーモスを岩場の影で鑑定した俺。



 さらに鑑定したところ、オーラ外からの物理・魔法・状態異常攻撃をキャンセルするのが魔獣竜のオーラというスキルで、魔獣竜の息吹(ブレス攻撃)発動後のクールタイム中オーラが途切れるのだそうだ。



 魔獣竜の魔眼は、石化・錯乱・恐怖の状態異常を引き起こすものだそうで、いわばコカトリスの石化視線攻撃の上位互換。



 視線を合わせないのが回避法と書いてあったけど、戦いながら見ないというのも中々厳しいものがある。



 コカトリスの石化攻撃には今までパルナ解毒ポーションを事前に口に含んでおく対処をしていたので、今回も真似ることにはなりそうだけど……。



 鑑定様の忠告もあったことだし死にたくないので逃げようかな……? と一瞬本気で思ったけど、もう作戦は動き出している。



 何より行方不明になっている兵士たちを探さないといけない。



 腹をくくろう。



 俺は自分と仲間に補助魔法の “バーニングマッスル” と “ストーンスキン” を付与。


 ミズチさんが魔力と気力を底上げする聖属性補助魔法 “祝福ブレッシング” と対魔物に対する防御力と攻撃力を底上げする “聖闘気ホーリーオーラ” を全員に付与した。



 作戦のキーとなる毒ビンをもったココリさんが “気配遮断” を使ったのを確認したところでパルナ解毒ポーションを口に含んだ俺は、



「手はず通りいくぞ」



 押し殺した声で仲間に合図した俺は、懐から牙を取り出すと岩場の影から敵に向かって飛び出したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ