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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-271

 移住者の第三陣と一緒に新しい町にお引越し。



 途中山賊に襲われたりしたけど、特に被害もなく新しい町に到着することができた。



 ひっとらえた山賊たちをジュノに引き渡しつつ、そう言えば町の外で襲ってきた人間に対する刑罰を考えてなかったなあと思っていると、ジュノと一緒に顔を出してくれていた聖職者兼徴税担当のシャーロットさんが可憐な声と仕草で「私が改心させますわ」的なことをジェスチャーつきで言ってきた。



 改心? 教会の懺悔みたいなこと?



 ジュノを見ても「さあ?」という表情をするだけ。



 うーん。



 悪人を善人に改心させられるならそれは願ってもないことだけど……。



「まあ、物は試しか。それじゃあシャーロットさん、頼んでもいいですか?」



 シャーロットさんはプリーツスカートを両手でつまみ会釈をしつつ「お任せください」と言ったのだった。




 新しい町 “イトシノユリナ” に着いて早々、10数名の山賊たちと一緒に俺とジュノはシャーロットさんの教会に来ていた。



 山賊たちには、拘束具として足鎖、手鎖、首鎖がされていた。


 こんなもん、軍の備品にあったっけ? と思っていたら、どうやらシャーロットさんの私物らしい。



 教会のちょっと奥まった影になったところには、シャーロットさんらしい可愛らしい文字で “お説教ルーム” と書かれた札のかけられた一室があった。



 シャーロットさんは愛くるしい笑顔を俺たちに向けると、おもむろに盗賊団の団長と思われる凶悪な面構えの巨漢男一人と一緒に部屋に入ろうとした。



「シャーロットさん、危ないですよ? 俺たちも一緒に……」



 と言いかけたところで、奥にあるものが見えた俺は途中で絶句。



 トゲのついたムチやモーニングスター。


 大小様々なサイズのペンチ、千枚通し。


 アイアンメイデン(?)的なトゲトゲが内側に無数に伸びている棺桶。


 人を壁に貼り付けたり、宙吊りにするような設備。


 蝋燭の照明が血のようなものがこびりついた地面を暗く照らしている。



 右手を突き出したままフリーズしている俺に、シャーロットさんは可愛らしい笑顔と声で「少々お待ちください」とプリーツスカートを両手でつまみ挨拶をすると、「逆に襲ってやる」と言わんばかりの下卑た笑みを浮かべた山賊オヤブンと一緒に “お説教ルーム” の中へと入っていったのだった。

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