k-268
ここのところ町づくりをしていて確信したことがある。
当たり前かもしれないけど、領主こそ経営手腕が必要だということだ。
例えば町の壁一つ作るのも投資である。
その投資はコストに見合う価値があるのかを常に意識する必要がある。
例えば、町の人数がこれだけ増える見込みなので、安い木柵塀ではなく石壁にして、これくらいの高さにしても税収でまかなえるので安全のために投資する価値がある、みたいなこと。
そして、その判断にはもっと緻密なデータに基づく分析が必要となる。
例えば木柵塀から石壁にする防御力の上昇は兵士~人分に相当し、耐用年数~年であることを考えるとトータル兵士~人分の年収金貨~枚の価値に相当する。そして近辺の危険度合いから考えてこの地域には兵士~人分の防御力が妥当。
だから石壁に投資する価値がある、というような根拠をもった判断をすることが必要だ。
何となく安全そうから高い石壁を作ろうではダメで、もしその場所が仮に安全な場所で木柵で十分だとしたら、石壁はほぼ無意味になる。
つまり商売でやるべき黒字にするみたいなことをさらに大規模にやる必要がある。
今俺の手元にはある商業ギルドカードには、現在のヴォルフスザーン男爵家の預金残高が書いてあり、金貨18万7621枚となっている。
前回から、徴税システムの構築費として商業ギルドに金貨17000枚、シャーロットさんへの徴税担当部署の創設費用金貨3000枚の支払いをし、雑貨店などの利益が金貨3032。
差し引きしてこの金額になっている。
町の全体予算については、町の規模が現状のままと仮定した場合、人口約1000人で一人あたり平均年収金貨15枚。
全体の収入が金貨15000枚となり、税収は大体50%として年間金貨7500枚。
これを12割って毎月の税収は金貨600枚。
俺個人のビジネスは毎月金貨3000枚の黒字。
つまり少なく見積もっても、町には現状ざっくり毎月金貨3600枚の収入があることになる。
そこから市民全員に銀貨1枚を配るのに必要な金貨100枚(1000人に銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚なので)。
あとは男爵家雇いの者たちへの毎月の給料が金貨150枚。
毎月の資材費が金貨50枚。
現時点で税収だけで毎月金貨300枚のプラス。
お店の利益を会わせると現状毎月金貨3300枚のプラスということになる。
プラスになったお金は、町の公共設備(橋、道路、広場、会館とか)や新しい事業にまわしていくつもりだ。




