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ボーラーシュ平野に向け、レスタから町づくりの先遣隊が出発していった。
先遣隊のメンバーはテイラーさんの部下で金髪イケメン建築家のブラードさん以下建築職人衆80余名。
気の早い移住希望の農家さんや木こり屋さん、石屋さんが20名ほど。(むしろ建築素材や食料の需要もあって、レスタで商売するより儲かるのだそう)
ブラードさんファン(と俺には見えた)の歓楽街で働く美女たちが数名。(そっち方面の商売も見込んでのことらしい)
そしてそれを警備するジュノ以下 “蒼の団” (正式名称はヴォルフスザーン男爵軍)20名ほど。
そして集まった人への商売目的の商隊がチラホラ。
ヴォルフスザーン男爵軍は今の所 “蒼の団” 56名。
今回はあくまで先遣隊なので、軍の部隊を三分割して後続隊の警備に充てる予定だ。
一応組織図的には実際に軍を率いるトップの将軍職にジュノを。3分割した部隊のそれぞれのリーダーとして副将をメンバーの中から3人選んだ。
現場には基本出ないで軍の装備や資材管理をメインの仕事とするマルゴは参謀職ということにして、ジュノと合わせてツートップということにしてある。
そんなある日、ユリナさんがエルザのところでサラサと3人でお泊り会をすると言って出かけていった。
なんでもジュノと会えなくて落ち込んでいるエルザを励ましたいのだそうで。
確かに昨日里の様子を見に行ったときにエルザの宿屋に寄ったら、笑顔にいつもの元気がなかったかも……。
元気がトレードマークのエルザがションボリしていたら、宿屋の常連の冒険者たちもさぞ心配するだろうな。
次の先遣隊の前に誰か一人警備をつけて、ジュノのところにでも送り届けてもらおうかな……。
それにはエルザママの協力ももらって……。
俺はジュノとエルザにちょっとしたサプライズプレゼントをしようと考えを巡らせ始めた。




