k-259
次の日は陛下がうちにやってきて、コボルトキングの余っていた素材で武器防具を作った。
商業ギルドからボルガさんが来ていてギルドカードの更新をしたら、武器防具代も含めて俺の口座に王国から金貨10万9000枚が振り込まれていた。
流石にこれだけの金貨を持って歩くのは危険なので、新しい町に領主専用の金庫ができるまでは王都にある商業ギルドの大金庫で預かってもらい、各支部で引き出せるという形をとってもらうことにしている。
さて、鍛冶仕事を始めよう。
コボルトキングの武器防具を作るのは二回目なので、そんなでもないだろう。
陛下の体格を測りつつ、チャトラに手伝ってもらいつつ作り、大体前回の半分くらいの時間で完成したのだった。
◆
物凄く腹がすいたので、陛下やバイエルン様と “子狼の食卓” 3階のVIPルームで食事をすることにした。
店のドアを開けるとアッシュと子狼のブルちゃん(♀)が回復クッキーの入った籠をくわえてお出迎えする姿にほっこり。
店内に入ると、ターニャや “子狼の里” 年長組が慣れた感じで飛び回り接客をしており、陛下やバイエルン様に気づき飛んできて3階に案内してくれた。
3階に陛下を案内し、料理人のボクゼンさんが研究に研究を重ねたフォアグラ料理(ファントムバードの肉)、ウナギ料理(サーペントの肉)、各種ウニ料理(ジャイアントアーチンの肉)を堪能してもらった。
VIPルームは普段お姉さま方に任せているけど、今回は里の子供に接客をしてもらうことにした。
その方が俺がしていることが陛下伝わると思ったのだ。
俺はホスピタリティ溢れる接客をしてくれている子供たちが、これまでどんな境遇にあったかを説明した。
陛下は想像以上の酷い状況にショックを受けたようで、同時に関心をもってくれたようだった。
料理や滝の流れる和洋折衷な内装も気に入ってくれたようで、陛下は「費用は全部出すから王都にも是非とも出店してほしい」と依頼してきた。
そして王都のスラム街も陛下が何とかするとも。
貧困解消に向けた良い循環が生まれ、自分の街づくりの資金作りにもなるので、依頼を快諾することにした。
ただ一から料理人を育てるのは難しいので、陛下お抱えの料理人二人をこちらにまわしてもらうことにした。
その二人はボクゼンさんに指導してもらい、王都、レスタに配属予定。(ボクゼンさんは新しい領都のお店に連れて行く)
あと “子狼の食卓” では子狼が接客することが重要なので、ブルーウルフの子供をマスコットとしてお店でウロチョロさせる許可ももらった。
ということで、出店に必要な金貨5000枚がその場でボルガさんの魔動具経由で俺の口座に入ったのっだった。




