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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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(モノローグ・サラサ)新しい町でチャンス到来!? ライバルに勝って成り上がれ!

 ケイゴがレスタの町への貢献が認められて男爵位を叙爵することになった。



 叙爵と同時にボーラーシュ平野一帯の土地と大金が与えられた。



 そしてその祝賀パーティに出席したら、ケイゴから口説かれた。


 もちろん口説くと言っても「女」ではなくて、「商人」として。



 新しい町の商業ギルド長を任せたいと言ってきたのだ。



 これは商人である私にとって大チャンスだと思った。



 レスタのようなある程度発展した町では古参商人が幅を利かせており、私のような若者が鳴りあがるのは難しい。



 だが新しい町ではそれが可能だ。


 レスタの商業ギルド長を務めているお父様から修行がてらお店を任されてはいるものの、今のままでは大商会の会頭なんて夢のまた夢。


 ここが勝負に出るときだと思った。



 今任されている店を誰かに任せて二店舗経営にすることになるけど、じゃあ誰にまかせよう? 自分のお店だけじゃなくて、商業ギルド長としてどうやって町の経済を発展させよう? ケイゴがもらった資金の一番有効な使い道は何? 税や町の運営まわりのこと、資金調達はどうする?



 これから考えなければいけないことがいくらでもあって、ケイゴの前で私は頭をフル回転させることになった。



 だがそんな私を見て彼は驚くべきことを言い出した。



 ケイゴは商業ギルドの副ギルド長にアイリスを指名したとジェスチャーつきで言い放ったのである。



「な……、よりにもよってあの色ボケクソ猫商人ですってええええ!!!!」



 キレた私はケイゴの襟をつかんでグリングリン。



「チョ、サラサ、イキデキナイ。シヌ……」


「あらごめんなさい」



 確かに冷静になって考えてみると、ケイゴはアイリスとは面識がないはず。


 となると……。


 私はパーティー会場を見渡した。



「あんのエロジジイ!!!」



 私はすんごいスタイルの美女にスパークリングワインを渡し、「君の瞳に乾杯」的な甘いことばを囁いているアランお父様を発見。



 あの美女……、確かさっきまでルーフテラスでケイゴとイチャイチャしていた女じゃない!?



「お母様、アレどうします?」


「え?? ああ……、いつものことだけど、ちょっと地獄見せに行ってくるわね……」



 そう言った無表情のお母様は神速の忍び足でお父様の背後を取ると、耳を引っ張ってルーフテラスに連行していったのだった。



 その一部始終をみていたケイゴはなぜか青ざめていたけど、なんでかしら?



 ああそうそう、アイリスのことだったわ。


 きっとアランお父様の入れ知恵に違いないと思いケイゴに問い詰めれば、案の定。



 お父様ったら私が一番嫌なことをしてくれるじゃない?



 ケイゴに「何でそんなことしたの!」と抗議したんだけど、彼は頭をかきながら「競争がないと発展しないからこれでいい」みたいなことを言っていた。



 まあ確かにね。


 そういうことならその勝負、受けて立つだけよ!



 私の瞳にメラメラと闘志の炎が灯ったのだった。

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