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一人になりたくて夜風にあたっていると、
「〇×、△〇◆◆??」
例の男爵の側にいた峰〇二子みたいなスタイルを強調した美女が色っぽい表情をして近寄って来た。
これだけで大抵の男は抗うこともできずにイチコロになるんだろうけど、幸か不幸か俺には言葉が通じない。
でもマフィア男爵が黒と言える証拠がない今、あからさまな態度に出るのはよくないだろう。
ここは様子を見るしかなさそうだ。
「何か御用でしょうか?」
「〇△……」
どうやら不〇子お姉さんは暑がっている様子で、胸やスリットの入ったスカートをチラチラ。
うわ……。
一瞬ドキドキしたけど自制心。
「暑いですね!」
と営業スマイルでポーカーフェイス、何でもないフリをした。
それを見て一瞬悔しそうな顔をした不〇子お姉さんは、ガバッ!
「や、やめてください! ……んん?」
俺の目に美女の足からチラリと何かが見えた気がして、試しに鑑定を発動。
【エンジェルフェイクナイフ:猛毒エンジェルフェイクの花の蜜が塗られた暗殺用ナイフ。毒が体に回ると心臓麻痺のような症状で死ぬため病死と間違われやすい。攻撃力+9】
うげ……。
ブローニングM1910の代わりに毒ナイフという動かぬ証拠を見つけた俺は、美女の腕をつかんでひねり上げ羽交い絞めにした。
峰〇二子風女アサシンは、生娘みたいな可愛い悲鳴をあげる。
流石はプロ、カタギのフリをするのが上手い。
だが俺は騙されないぞ?
美女は何とか抜け出そうともがくが、レベルの上がった俺との力勝負では勝てないようだった。
騒ぎを聞きつけたジルさんが警備の兵士と一緒にやってきたので、俺は美女の足に装着されたエンジェルナイフを指さして、「ドク、ナイフ」と説明。
エンジェルフェイクナイフを押収した兵士は、インドのコブラ使い風給仕と同じく地下牢へと連行していったのだった。
「バロン、〇△×……?」
「ええ、そうですね。流石に二回目ですし、我々も地下牢の尋問に同席しましょう」
そして俺は、ここバイエルン邸の執事であるジルさんの案内で例の二人の尋問が行われている地下牢へと向かったのだった。




