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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-215

 冒険者ギルドを出た俺は、店の従業員を雇うため商業ギルドに向かった。


 商業ギルドの建物は冒険者ギルドから大通りを挟んで斜め向かいにあるので、馬車は冒険者ギルドの厩舎に預けたままにしておいた。



 ボルガさんには来る前に手紙で用件を伝えておいたので、今回は内容をつめるために来た。



 建物に入ると受付にいたボルガさんが手を上げて挨拶。奥の応接に通された。



 しばらく出された茶を飲みながら待つと、ボルガさんが人を二人連れて部屋に入ってきた。



「チャトラ、〇〇××△、△△××!」


「マヤ、〇△××、〇〇!!」



 おそらく自己紹介的なことを言われたのだと思うけど、かなり若く見える活発そうなトラ獣人の男の名前がチャトラ、青い髪の若い眼鏡をかけた女の子がマヤという名前であるということしかわからなかった。



「ボルガさん、すみません、筆談してもらえますか?」


「アア……」



 そう言ったボルガさんは、筆談で通訳してくれた。


 何でもこの二人は16歳で成年を迎えたばかり。


 成年後職業を選ぶにあたり、商人ギルドで修行をしていた商人見習いだそうだ。


 そして俺が従業員を募集していることを伝えたところ手をあげたそう。



 給料は一か月(30日)金貨2枚、一週間(7日)に1日はお休みと条件を出したら、「休みまであって、そんなにもらえるの!?」と驚愕していたようで。



 二人は四則演算はでき、ある程度商品知識もある。マヤは文章能力や交渉力が高く、チャトラは商品を加工したりするのが得意とのこと。


 これは仕込み甲斐がありそうだ。


 そして人柄はギルドが保証するとまでボルガさんが言ってくれたので、俺は即決で雇うことにした。



 ということで二人には早速金貨2枚ずつ給料を前渡しして、店に来てもらうことにした。



 ようやく休めそうだな。



 俺は早速商業ギルドに注文しておいた商品の材料を馬車に積み込むと、店に戻ることにしたのだった。



 ◇◇◇



「ん? あれ何だ?」


「オンナノコ!」



 目のいいチャトラが叫ぶ。何と俺の店の門前に一人の少女が倒れているようだった。


 俺は慌てて馬車を止め、少女の元に駆け寄ったのだった。

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