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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 ボルガさんはギルドに預けた金貨3500枚と、店をやりたいという要望から3つの物件を提示してくれた。


 金貨にして3500枚、2000枚、1500枚の3物件。思わず2000枚のヤツで! と言ってしまいそうなのは折衷案が好きな日本人の性か。


 ボルガさんの話をまとめると、3500枚のは立地〇建物〇、2000枚のは立地△建物〇、1500枚のは立地〇建物×とのこと。



「やっぱり実際見てみないとわからないかな」



 ということで実際に物件を見ることにした。



 まずは2000枚の物件。


 建物は大きくしっかりしているが、立地が教会の墓地近くと少し微妙だった。


 そういえば今の所アンデッドと遭遇したことがない。モンスターがいるならゾンビとかスケルトンとかもいそうなもんだが。


 そして墓地といえばアンデッド。アンデッドといえば墓地くらいポピュラーな場所だ。


 サラサに「アンデッドいないよね?」と墓地を指さし、ジェスチャー混じりで聞いたら「何言ってるの? いるわよ」的な反応が返ってきた。


 教会が管理しているので死体がゾンビになることはまずないそうだが、たまに良くないものが集まってアンデッド化することもあるそうだ。


 うん、墓地の近くは却下だな。



 次に3500枚の物件。


 これは高いだけあって建物は大きな2階建てで豪華な装飾がほどこされており、土地もバイエルン様の邸宅の近くにある高台だけあって眺めもいい。


 が俺的には建物がちょっと成金趣味すぎるのと、鍛冶作業をやろうと思っているので、流石に貴族の邸宅近くは気が引けた。



 最後は1500枚の物件か……。


 正直二番目の半分以下の値段じゃ期待薄かなあ。


 そんなことを考えつつ商店街通りを歩いていると、パステルカラーを基調としたお花の装飾が施されたファンシーなレンガ造りのお店が目に入り、ユリナさんとアッシュが店頭に立つ姿を想像していいなあとホッコリした。



 それから少し歩いて、ボルガさんが「ココデス!」とオンボロの建物の前で大きく両手を開いた。


 正直あまり期待していなかったのだが、俺は物件を一目見て気に入った。


 確かに建物は今にも崩れそうな物置みたいな小屋があるだけだったが、町を通る川が土地の近くにあり眺望がいいし、水の流れる音が心地いい。


 春先、ここにハンモックでもおいて昼寝をすればさぞ気持ちの良いことだろう。


 立地はマルゴやサラサが商売をしている商店通りとジョセフィーヌさんのお店の丁度中間あたりで、通いそうな場所へのアクセスもいい。



 1500枚はほぼ土地の値段ということもあり、土地の広さも申し分ない。マルゴの店くらいの建物を建てたとしても畑ができそうな感じだ。


 建物は残りの金貨で建て替えればいい。


 これは決定かな。



「ユリナさん、俺ここがいいんだけどどう? もちろん建物は新しく建てるよ」



 そう、建物はさっき商店街通りで見かけたレンガ造りのお店の色や形を参考に作ってもらえばいい。



「ステキ……。イイトオモウワ!」


「ワン!」



 よし、妻も気に入ったみたいだ。ついでに聞いてもいないアッシュも嬉しそう。



「ということでボルガさん、ここにしようと思います。実は新しい建物のデザインは考えてありまして……」



 俺はその場で紙を広げ、先ほど商店街で見かけたファンシーなレンガ造りの建物デザインの説明をしたのだった。

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