モノローグ・ジュノ4
マルゴから、ケイゴを助けたいと相談を受けた。
仲間を助けるなど当たり前だ。
ケイゴはケイゴで彼女を守り抜くだろう。俺はその生き様を本当に格好いいと思っている。
正直このままケイゴが彼女とどこかの町へ移り住むのも、自由なあいつのことだ、俺は別にあいつは好きに生きていくだろうと思っている。
ただし、俺たちの町の貴族がハインリッヒのクソ野郎であることを良しとするかどうかは別問題だ。
バイエルン様が軟禁されているとことや、ケイゴがこの町に戻れなくなっていることには正直怒りを覚える。
俺には財力はないが剣の腕ならある。マルゴとサラサが決断したのだ。俺も腹をくくらねば。
俺は、エルザの宿屋でつながりのある、冒険者連中に声をかけることにした。
武力は一人でも欲しい。
しばらく宿代をタダにすること、サラサが報酬を支払うことで折り合いをつけた。正直言って冒険者連中からすれば、統治者がハインリッヒだろうがバイエルン様だろうがあまり興味がないと思う。
でも俺はハインリッヒの悪行とケイゴという仲間がそのおかげで大変な目に合っていることを説明し、冒険者仲間を説き伏せてまわった。
バイエルン様が改心したことは冒険者の間でも周知の事実だったので、概ね理解してもらえた。
そして俺は来るべき決戦の日に備え、宿屋の庭で一人自らの牙を研ぐ。
敵は全部、俺が全て切り伏せてみせる。こういう時のために、何かを守るのために剣の腕を磨いてきたのだ。
そして今日、レジスタンス『蒼の団』が結成される。
俺は団長のマルゴを補佐する立場。マルゴから、冒険者連中のまとめ役ということで、副団長に任命される予定だ。
理不尽な目に遭っている親友を救う。
俺は心の中、静かに蒼い炎をたゆらせていた。




