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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-190

 俺とユリナさんは、ヴィラ嬢に連れられ、ギルドに併設された訓練場へときていた。


 もちろん、討伐報酬であるギルドポイントを使ってスキルを習得するためだ。


 ユリナさんは、ギルドポイント50と初心者特典を合わせて2つの武器スキルを。俺は各150ポイント、合計450ポイント使い、火、水、地の初級魔法を三つ取得することにした。


 今わかっている属性で魔法を取得していない属性といえばこれ。



 初級魔法とて侮るなかれ。ウインドやライトは戦闘で大活躍しているからな。


 どんなにショボそうに見える魔法でも、使い方次第ということだ。



 ヴィラさんの案内で訓練場に着くと、バトルマスターというジョブを持ち全ての武器を使いこなすと紹介されたミランダという大柄の女性、そして、ナハールという鷲鼻にとんがり帽子を被ったいかにもな白髪の男が待っていた。


 ミランダさんはユリナさんのスリングショットを掴むと、何度も頷き早速的に向かって、何かのスキルを使って石つぶてを放っていた。


 俺もナハールさんに「よろしく」とお願いし、受付で既に選んだ魔法の訓練に取りかかった。


 ちらっとユリナさんを見ると、ユリナさんはミランダさんに色々と指導してもらっているようだった。


 なおスリングショットはこの世界にもある武器だそうで、ユリナさんが覚えるのは、弾の命中率をアップさせる「イーグルアイ」。そして弾の速度と飛距離を伸ばす「イーグルショット」なるスキルの訓練をする予定だ。


 さてさてどうなることやら。


 俺はまずナハールの指導の元、火属性初級補助魔法「バーニングマッスル」を覚えることに。


 なんでも初級火魔法にも色々あり「ファイア」なる火を飛ばすものもあるんだけど、俺にはヘルファイアソードがある。それならいっそ別のがいいということで、こちらにした。


 ただ一つ問題が……。


 ナハールさんが、結構暑苦しいポーズと共に「バーニング! マッスル!」と叫んでいることだ。真似しろと言われ、ボソボソと声を出して、ポーズを怠けていると怒られるのだ。


 なお、ウインドやライトがそうであったように、魔法は魔力によってイメージを具現化し物理空間に干渉するものなので、必ずしも発声がランカスタ語である必要はない。むしろ俺にとっては日本語の方が魔法発動のイメージがでしやすい。



 くそ……。仕方がない……。



「バーニングッ! マッスルッ!!」



 俺はユリナさんが訓練に集中してこちらを見ていないのを確認してから、ポーズを決め叫んだ。このポーズ絶対いらんやろ。


 んん? うおお! 体に力がみなぎってきた!



『個体名:奥田圭吾は魔法、バーニングマッスルLv1を取得しました。力+3、体力+3』



 例のごとくタッチパネルのような画面が現れ、機械的な音声が流れたのだった。

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