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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-177

 俺はウナギの蒲焼をなんちゃってひつまぶしにして食べることにした。


 ジルクート水草……昆布があるのでお出汁は作ることができる。ご飯はないのでパスタを細かく刻んで代用。薬味は集落でいただいた乾燥ネギっぽい野菜(鑑定ではネル草と出た)を使う。


 タレ焼きしたウナギの蒲焼を一口サイズに切り分け、パスタを刻んで作ったなんちゃってライスの上に乗っける。ネギをふりかけ昆布でとったお出汁をかけて完成だ。


 味は醤油と塩をお好みでかける。



 さて、実食。



 パク……、どどーん!



 薬味と昆布出汁、そしてウナギダレの味が織りなすハーモニー。


 これはいかん。どうやら俺はまた、罪な一品をクリエイトしてしまったようだ。


 それから俺とユリナさん、アッシュ、ブルーウルフたちは、なんちゃってひつまぶしを堪能し尽くしたのだった。





 ……もう、食えない。



 サーペントは跡形もなく綺麗に完食。大きなサーペントだけどブルーウルフたちにかかればむしろ足りないくらいだった。


 ブルーウルフたちは食べ過ぎたのか、お腹を出して焚き火の周りに寝転がっている。アッシュもブルーウルフのお腹の上でお腹を上にしていて鏡餅みたいになっている。


 よっぽど美味しかったんだね。作った甲斐があったよ。




 ウナギをたっぷり堪能した俺とユリナさんは、川の水を汲んで風呂を沸かした。


 俺はユリナさんとアッシュが入った後の残り湯に一人で入った。風呂の横に台を置き、少し残しておいたウナギの蒲焼を肴に蒸留酒をロックでやった。


 うん、これもまたオツですな。


 俺は湯煙の中タオルを頭に乗っけながら、夜空を見上げる。今日も月と星が綺麗だ。


 そして、川のせせらぎと野鳥の鳴き声。最高だ。


 浴槽の中、お湯で濡らしたタオル目に当て温めていると危うく寝落ちしそうになった。


 いかんな。体も温まってきたし、そろそろあがろう。




 風呂を上がった俺は、幌馬車に入り、ストーブの前で髪を乾かした。


 ユリナさんの長い髪が十分に乾いていなかったので、ストーブの暖気をウインドで送って乾かしてあげた。


 アッシュは既に布団上で丸まって可愛い寝息を立てている。



 それから俺とユリナさんは外で冷やしたグラスにエールを注いで風呂上がりの一杯。


 くう、たまらんね。マジで新婚旅行最高。




 良い気分になったので、今日のところは眠りにつくことにした。


 布団に入る時にアッシュが目を覚ますかなと思ったけど、一瞬だけ寝ぼけた感じになった後、すぐに俺とユリナさんの足のところで寝息を立て始めた。


 その仕草が可愛すぎてて、俺とユリナさんは思わず息をひそめて笑ってしまった。

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