表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/617

k-172

 幌の中、俺は寒さで目が覚めた。


 俺は寝息を立てるユリナさんの布団にもたれかかるようにして眠っていた。アッシュはユリナさんの手のところで気持ちよさそうに眠っている。


 すっかり薪ストーブは燃え尽きていて、かなり寒い。



「火、火……」



 俺はストーブの脇に積んであった薪をストーブにくべ、ファイアダガーで火をつけた。


 徐々にあったかくなっていく室温。


 パチパチと音を立てる薪ストーブに手をかざし、ようやく一息ついた。




 どうやらユリナさんの看病をしていて、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。



「そうだ、熱はどうかな」



 ユリナさんのおでこを触ってみると、先ほどよりは大分マシになっている気がする。



「よし、いいぞ」



 彼女の呼吸も一時よりは安定しており、快方に向かっているように見える。あとは幌の中をあったかくして湿度を保ち、食事と薬を飲み続ければ大丈夫だと思う。



「よかった……」



 本当に変な病気だったらどうしようかと思ったんだ。


 ノミにかじられただけで重症化するなんて話も聞くくらいだ。


 こんなわけのわからない場所にはきっとわけのわからない病気もあるはずで、そんなもの俺がどうにかできる訳がない。


 まだ油断はできないけど、快方に向かっているというだけで一安心だ。



 俺はユリナさんのおでこのタオルを取り替え、自作した少し歪んだヤカンに水を入れてストーブの上においた。もちろん幌の中の湿度を上げるためだ。



 それから何となく寝付けなかった俺は、薪ストーブのチロチロと揺れる火とヤカンから出る湯気を、ただひたすらぼーっと眺めていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ