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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-164

 朝起きると何だか少し、ユリナさんのほっぺたが膨らんでいる気がする。俺、何かしたかなあ……。


 あ、しまった! 昨日ユリナさんに「愛してる」って言ってなかった!!


 俺は「おはようハニー! 愛してる!」と頑張ってランカスタ語で言ったら、機嫌が直った。


 彼女は鼻歌を歌いながら、エプロンをつけ朝食を作っていた。


 俺は、冷たい水でパシャパシャと顔を洗う。ふー。目が覚める。



 これから何があるかわからないから鍛錬は怠らないでおこう。しばらくここに滞在するが、ひと所にいるのはそれはそれでリスクがある。


 今いるような辺鄙なところで少し滞在、動く、また辺鄙な場所で少し滞在を繰り返すのが一番見つかりにくいかなと思う。


 ただ厳冬期に物資切れになるのも怖いので、最低限の仕入れはせざるを得ず、隠れているだけというわけにも行かないのが辛いところだ。


 まあ何があっても良いように自己鍛錬は怠るな、だな。


 というわけで、馬にエサの干草と水を与えると体術、剣術、弓術、魔法と鍛錬を開始した。


 特に新しく覚えたシールドバッシュとラウンドスラッシュは重点的に練習した。


 アッシュも一緒に遊びたがっていたが、「パパ、訓練」と注意して、ブルーウルフにアッシュの遊び相手をしてもらった。



『個体名:奥田圭吾はスキル、シールドバッシュLv3を取得しました』


『個体名:奥田圭吾はスキル、ラウンドスラッシュLv3を取得しました』




 一通りの鍛錬を終えた俺は、ユリナさんの作った朝食を食べることにした。


 メニューは生ウニの塩漬けを使用したサンドイッチと干し肉のスープだった。俺は、「美味しいよ、ハニー」と料理を不自然じゃない程度にほめちぎった。


 それをみていたアッシュが尻尾をフリフリしながら嬉しそうにしていた。



 9:00

 パカーンと軽快な音を立て薪割りを行う。割った薪は、幌馬車に積む。


 いつ移動しなければいけない事態になるかわからないので、積める資材は馬車に積んでおく方が良いだろう。



 11:00

 その後、イレーヌ薬草、ムレーヌ解毒草、ベルジン魔力草、デルーンの実、レッドグリズリーの睾丸を幌馬車から取り出し、エギルの回復ポーション、デュアルポーション(中)、パルナ解毒ポーションを作成することにした。



 『個体名、奥田圭吾は錬金術Lv8を取得しました』



 調合をしていると、いつもの機械的な音声と画面がポップアップしたのだった。

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