k-162
幌馬車を手に入れた俺たちは東の方へ向かうことにした。
行き先は特にない。気楽に行こう。
ユリナさん幌馬車の中の方が暖かいにもかかわらず、御車台に座る俺の横に座ると言って聞かなかった。
アッシュも当然ながら一人で荷台にいるのは寂しいと見え、二人と一匹は仲良く御車台で暖めあうことになった。
俺たちの幌馬車は一面の銀世界を進む。
幌馬車の天井には、木々から飛び移ったスノウフェレットが駆け回る。馬の背には真っ白な雪鳥のスノウバードが数羽とまり羽を休めている。
実にのどかな風景だった。
視認できる範囲に、地図にはない農村集落と川があった。
俺はこの好立地な場所に陣取ることにした。久々に風呂を沸かしてくつろぐのもいいだろう。
川の中にはマーマン他、水生モンスターがいる可能性がある。俺は川から少し離れた場所に馬車をとめ、水辺に近づいた。すると、
ザパアッ
俺のウニ、もといジャイアントアーチンが1体とマーマン3体が水辺から姿を現した。それと同時に木陰からブルーウルフが1体、俺の横に現れた。
ウニ~!!
ちょっと前だったら絶対絶命の大ピンチだったはずなのに、今ではそうでもない。むしろあの美味を思い出して、条件反射的によだれが出てくる始末だ。
俺はウルヴァリンサンダーソードを抜き放つと、盾を構える。ブルーウルフがウニの注意を引きつけている間にマーマンを片付けることにしよう。
俺を取り囲むマーマン3体のうちの1体にシールドバッシュを放ち吹き飛ばした。
『個体名:奥田圭吾はスキルシールドバッシュLv2を取得しました』
空いた包囲網から抜け出した俺は、盾を鳴らしつつマーマンの注意を引きつけつつ、陸地に上がる。
再び俺を取り囲むマーマン3体。
そこですかさず、覚えた剣技ラウンドスラッシュを放った。
バリバリ!
電撃の光が俺の周り一閃した。まるでド○クエのギ○スラッシュみたいな技だ。
そしてマーマン3体は胸に雷属性の斬撃を受け、仰向けに倒れた。
『個体名:奥田圭吾はスキル、ラウンドスラッシュLv2を取得しました』
「うし、次はウニを仕留めるか」
俺はブルーウルフに向かってトゲを飛ばしているウニの背後から静かに近づき、ウルヴァリンサンダーソードで突き刺して倒した。
はい、巨大生ウニゲット。今日の晩飯がが楽しみだ。




