ベストフレンド2
ジュノへ
何だか本当に照れくさいな。マルゴはあんなことを言っていたが、たぶんもう俺はレスタには戻れないと思っている。
だからジュノにも手紙を書いておくよ。
ジュノには本当に世話になったね。
コカトリスを一緒に倒したね。あれは俺一人じゃあ、どうしようもなかったな。
大変だったけど、倒したときの気分は最高だったよな!
ジュノがサラサに失恋して憔悴しきって、落ち込んでいるときはどうしようかと思ったよ。
ジュノは俺に悩みを打ち明けてくれたね。あの晴れた表情を見たとき、もうジュノは大丈夫だと思ったんだ。
その後ちゃんとエルザという恋人を紹介してくれて、嬉しかったよ。
ジュノみたいないい男を女がほっとくわけないなんて勝手に納得しちまった。
俺はこれから、タイラントに向かうつもりだ。
その後はただひたすらと旅を続けて、ユリナさんを守って暮らしていこうと思ってる。
お互い、惚れた女は守るのが男だよな? ジュノならわかってくれるだろ?
できればジュノたちとずっと一緒にいたかった。もう何年も付き合ってきている気がするけど、出会ってまだ1年も経ってないんだよな。
ジュノとエルザの結婚式も親友として盛大に祝いたかったんだけど、それができなくて心底悔しい。
でも俺にとっては、誰よりもユリナさんの安全が最優先なんだ。許してほしい。
ジュノ。レスタのみんなを頼んだ。
俺は、ユリナさんと必ず幸せになるから心配しないでくれ。
最後に冒険者としてのジュノへ。
あんまり冒険で無茶してエルザを泣かせるな。絶対に死ぬな。ちゃんと幸せにしろ。約束だぞ?
ダンジョン攻略に参加したあの日、ジュノはマルゴをかばって死にかけたよな?
だからもう一度言う。
どんな理由があっても絶対に死ぬな。自分の命を大事に、必ず生きのびろ。
あと、俺がもうレスタに戻れないだろうと考えていることは、サラサとエルザには秘密にしてくれ。
たぶんあいつらは悲しむだろうから。お前だけの胸だけにしまっておいてくれ。
ああ、そうそう。
俺の小屋は森に行くときに便利だろうから、ジュノが自由に使ってくれ。鍵は、サラサに預けてある。
なんなら小屋にエルザと一緒に住んでみたらどうかな? プチ旅行気分が味わえるし、エルザをたまには労ってやると一気に仲が縮まると思う。
余計なお節介かもしれないけど、親友からの最後のアドバイスだ。受け取ってくれ。
じゃあ、これくらいにしとく。じゃあな!
ケイゴ




